GLENMORANGIE
THE NECTER D'OR
SAUTERNES CASK FINISH
産地:スコットランド ハイランド
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:46%
樽構成:バーボン樽、ソーテルヌワイン樽
実売価格:700ml / 8800円
総評:3
色:琥珀色
トップノート:2
アタック:2
香り:よくあるウイスキー香、酸味花、エステリー香
味わい:シュガーシロップ、フローラル、フルーティー
アルコール感:2
ピート感:0
■ ウイスキーキャット ~ウイスキーぬこ~
かつてスコットランドには「ウイスキーキャット」と呼ばれる番犬ならぬ番猫がいました。
ウイスキー本場のスコットランドでは製麦工程に古来製法の「フロアモルティング」があります。
フロアモルティングは床一面に大麦を巻いて発芽させる工程ですね。
ここでバーレイ(大麦)からモルト(麦芽)に変わります。
その際に現れるのが「ネズミ」で、それを番するのが、きゃわいい「ぬこ」になります。
スコットランドでは猫の原生種に「ヨーロッパヤマネコ」が生息しています。
家畜用に改良された家猫はこれらの亜種とされてるみたいですね。
Anke SundermeierによるPixabayからの画像
ウイスキーキャットと言えばグレンタレット蒸留所のギネス猫「タウザー」が有名ですね。
ハイランドパーク蒸留所の「バーレイ」も蒸留所見学者を案内する賢い猫だったみたいです。
グレンモーレンジィ蒸留所のあるハイランド地区には「スコットランド・ワイルドキャット」と分類されるヨーロッパヤマネコの一種が生息しているため昔のボトルにはヤマネコの刻印を採用していたみたいです。同地区にあるクライヌリッシュ蒸留所は創業者の紋章のトレードマークとして今でもヤマネコがボトルに記されています。
現在では食品衛生面で法的に家畜の飼育は禁止されていますので、ウイスキーキャットはいません。これは日本も同じですね。
■ グレンモーレンジィ ネクター・ドール ソーテルヌカスクとは
この「ネクター・ドール」はフランス産の最高級ソーテルヌワイン熟成樽を使用して後熟を施したシングルモルトです。
樽構成はバーボン樽で10年、ソーテルヌワイン樽で2年の追熟を施している12年モノってことですね。
ゲール語で「ネクター」は神々の美酒、「ドール」は黄金の意味。
■ テイスティングノート
公式では香りと味わいはデリシャスとスムースと表されています。
テイストは柑橘系や生姜のフルーツとスパイシーさ、フィニッシュはレモンの皮や生姜の余韻とありますね。
実際の香りはよくある古樽のブレンデッドの様なウイスキー香で、酸味を含んだ花のエステリー香がふわっと立ちます。
味わいはシュガーシロップの甘み、花のようなフローラル、果実のような渋み、余韻はフローラルじみたアルコールが口中に強く広がります。
大体にしてフェイマスグラウスに似た味わいかなと感じました。
これは元のバーボン樽熟成原酒とソーテルヌワイン樽後熟がありきたりの化学反応になってしまった感が否めません。後熟が1年以内だとバーボンが生きた、また違った味わいになったのかなと推察しました。
フェイマスグラウスは樽感が強いですが、ネクタードールはスッキリした味わいですかね。