片想いしか出来なかった俺が

初めて告ったのは中学の卒業式の日


その数日前、クラスメイトの女の子から

「N美ちゃんがアンタのこと好きみたいなよ」

ってアシストがあり

それに対して

「この間のバレンタインもらってないけど」

などとつまらん回答しとった俺は

今から思えばハズい限り…


けどそれをきっかけに

それまで全くノーマークだった彼女が

急上昇で気になり始め

その勢いで卒業式の後、告ったって次第。

それも今から思えば恋愛経験不足らしさ?


俺からなんて言ったか全く覚えてないけど

彼女に学ランの第二ボタンを渡した事は覚えとって

目出たくお付き合いする事になった。


ところが、彼女もてっきり俺と同じ高校に入学するもんじゃと思ってたら

広島市の女子高に行くって聞いてチョーびっくり

初めての彼女が、いきなりの「遠距離恋愛」になってしまった


ただでさえ恋愛経験不足の俺が

高校の違う彼女と上手く付き合えるはずもなく

当時は携帯もポケベルもない時代で

家電する勇気もなく

ほとんど手紙のやり取りじゃった

直接会ってデートしたのは数回しか記憶にない


そんな俺に対して都会の高校に通う彼女は

俺の事をだんだんつまらん男に思えてきたんじゃないかなぁ


そんなこんなで半年くらい過ごした秋祭りの日

久々に会う約束して楽しみにしてたんだけど…


その前に、色々事情があって

部活を野球部にトラバーユしてた俺は

高校球児となり、丸坊主にしてた訳で


その事を手紙で伝える前の再会だったから

彼女にとってはいきなりの丸坊主姿に

かなり戸惑いを見せてたのはよく覚えてる


で、直接それが理由だとは言われなかったけど

その後別れようって手紙渡されて

彼女とはそれっきりとなってしまった


見た目だけで恋愛感情が変わってしまう彼女は

それくらいの人としか思えなかったけど

よくよく考えたら、いくら高校が違ってても

もっと上手く付き合う事が出来なかった

俺の方がやっぱつまらん奴だったなぁと…

恋愛経験不足が露呈した俺の苦い思い出じゃった


それから10年後


現妻と知り合い付き合うことになった恋愛時代

彼女(現妻)から

「同じ中学にN美ちゃんっておらんかった?」

って聞かれて

「高校が同じで仲が良かったんよ」


えー!

それまではすっかり忘れてたその子のことが

黒歴史とともに思い出されたんじゃけど

彼女にはなんの躊躇いもなく

「あぁ、知っとるよ。元カノよ」って言えたなぁ


それにしても世間は広いようで狭いもんじゃね