10代の頃ロックバンドがやりたくて仕方がなかったのだがエレキギターを買うお金がなかったのでドラムを始めた。
ドラムを始めたといっても妹たちが読み終えた別冊マーガレットとかりぼん等のコミック雑誌をいくつか何冊も積み上げて曲に合わせてスティックで叩いていただけなのだが。
あるときジョニー・サンダースの写真を見てこのダサかっこいいギターは何だろうと思った。
ギターを持っている友達は多かったのでレスポール、SG、ストラトキャスター、テレキャスターくらいは知っていたがそのギターは見たことがなかった。
ギターに詳しい上級生に聞くとギブソン・レスポール・ジュニア・ダブルカッタウェイというギターだとわかった。
DTK.-Live At The Speakeasyを聴くたびにそのギターが欲しくてたまらなくなり御茶ノ水の楽器店に見に行ったが当時は凄くマイノリティなギターでどこにもなかった。
感じのいいロングヘアの店員さんに聞くとバーニー、グレコ等のコピーモデルがあるがどこにも在庫がなく注文すれば1~2か月で生産して出荷される。 お金がなければ24回払いの月賦でも良いというので注文してしまった!!
このBurny RLJ-80が届いてから10年くらいはこのギター一本だけでコードやスケールやリフのつけ方を覚えピッキング、チョーキング、ビブラートをマスターし初バンドをやり初ライヴをやり初オリジナル曲をつくった。
ヘッドでトップシンバルを叩きペグを壊した。
各部の調整や改造の仕方も覚えた。
フロントにPUキャビティを気合と度胸の手動ドリルでザグりシングルサイズのPUを入れリアPUのキャビティもザグりハムバッカーを入れた。
弾きすぎてフレットが磨耗したのでジムダンロップのミディアムジャンボに打ち換え、分厚いポリエステル塗装を根性で剥がしタミヤカラーのクリアレッドで塗装した。
各パーツの仕組みや配線、ハンダ付けを覚えたのもこのギター。
安価なギターを自分の好みに仕上げる楽しさを覚えたのも何もかもこのギター。
いつしかツバキハウスでみたジョニー・サンダースもいなくなってしまった。
子供の頃から気持ちをぶつけてきたツレである。
私のこと何でも知っている。