　断酒会の存在意義は言うまでもなく、アルコール依存症者の断酒を支えることです。アルコール依存症者はとりあえず専門病院に行くべきですが、病院はとりあえず酒を止めて、身体はある程度治しますが、断酒継続については、自助会任せです。病院の医師、SWなども、酒を止めることはできても、断酒を継続することについては自助会に任せるしかないと言っているのですから。

　という訳で、断酒会：自助会の存在意義はあります。現に私たち断酒会に所属している人は、酒を止めれたこと、止め続けていることが断酒会のおかげと認識しています。

　しかし、それ以外にも存在意義はあるのです。

　今日も元当会会員の奥様が例会に参加されました。酒害者のご主人は大会後、再飲酒して今も酒が止まりません。そして止める意思もないようで、奥様は、ご主人を説得することを諦めているそうです。でも、例会に出席するのは「ここに酒を止めて元気に生活している人が現実にいる。それを眺めるだけで、希望を持てるからだ」とのことです。

　「そこに酒を止め続けている人がいる。」という事自身に価値があると言ってもらえているのです。

　断酒して普通に社会生活を送っていて、自分がアルコール依存症者であることをカミングアウトすることがあるのですが、その時の相手の反応が何もないのです。引かれるのか、嫌そうにされるのかと思いきや本当に何もない。なぜかと考えると、カミングアウトされるまで、まったく普通の人と思っていたのが実はアルコール依存症者だと知って反応しようが無かったのだと思われるのです。

　アルコール依存症者：酒乱、社会不適合者、まあ酒害者はなんとでも謗られるべき存在です。それがまるで普通の人として目の前にいるのですから、どう反応していいかわからないというのが現実ではないでしょうか。

　でも　アルコール依存症者でも、酒を断って素面になれば全くの普通の人です。それは世の中では知られていない。

　断酒会は「アルコール依存症者は断酒すれば社会生活ができる普通の人である。ということを世間に知らしめ得る存在」として存在価値があると思います。まあさらには「断酒した人は、ただの人より人格者だ」とすら言いたいのですがまあそれは止めておきます。

　まとめると

　断酒会は　アルコール依存症者の断酒を助けそれを継続させるために存在する

　断酒会は　断酒している人の存在をアピールする

　断酒会は　アルコール依存症者も断酒すれば普通の人であることを知らしめる

という意味で社会に存在する意義があるのです。

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社会における断酒会の存在意義