自治会の役員を務めた時、
大きな夏祭りのある地域へ手伝いに出た。
古くからの地域なので有力者が多いらしく、
政治家と秘書たちが大勢やって来た。
参加者や役員のあいだを縫うようにして
あちこち名刺を配りながら頭を下げ、
愛想をふりまいている。
保守も革新も、そこらのポスターで見る
地方政治家はみんな来てたと思う。
そして、その地域の顔役らしき人と
話してる声が聞こえた。
「いやー、***(市の中心地)のお祭りとも
重なってましてねー。
でも、どうしてもこちらへ伺わなくちゃって、
もう駆けずり回ってですねー…」
暑い中、掛け持ちでお疲れさまでした。
ただ、わたしは、
「ふーん、お祭りに駆けつける日程調整と、
それを、あなたのために頑張りました~
みたいに言い立てるのが、
この人たちにとっての“政治”なのかー」
と思った。
と、まあ、
数年前のこの時には何か、こう、
もっと高邁な理想とかを聞きたいなぁ
って気がしたんだけど。
※高邁(こうまい)=気高く優れているさま
考えてみれば、
政治家の基本的燃料は支持者数。
だからその気持ちを繋ぎ続ける努力をする。
真っ白なスーツを泥で汚して見せもする。
祭りで挨拶するより、泥まみれになるより、
高邁な理想を喜ぶ燃料供給者なら
とっても高邁な理想を語りもするだろう。
政治家が何人、地元行事に顔を出すか。
地域有力者の面子をかけて
それが問われていたらしいお祭りは、
よく言われる、
「その程度の有権者に、その程度の政治家」
の現場だった…のかもしれない。
で、
何故それをすべて
政治家側になすりつけるような物言いが
真っ先に出てきてしまったんだろう。
なんでも「庶民には罪がない」って、
自分は良い子側だと思い込もうとする
大勢の人の後ろめたさにつけ込んで、
問題を逸らしてご機嫌を取って、
なんらかの利益を得ようとする存在は
どこにでもいる。
その刷り込みが
わたしの頭の中にもあったのかぁ
気をつけなきゃ。
お祭りは楽しかったよ