15日3-①

80年代に「内向的」だとか「人嫌い」だとか「精神的閉じこもり」みたいな状態を指して《自閉症》と表現するアーティストが大勢いて、自閉症児の親がたいへん迷惑した。

似たような言葉だが《自閉》と《自閉性》と《自閉症》は異なる。

《自閉》は【心理的に自己の殻に閉じこもり、外界の現実に関心を示さないこと。統合失調症の特徴的症状のひとつ】。意思の疎通さえむずかしい、完全に別世界の住人。精神病というと思い浮かべる典型だと思っていいだろう。

《自閉性》は【外界への関心を示さず、自分自身のうちに閉じこもりがちな状態・性質】という「心理的な傾向」を指す言葉。どの程度からを含めるのか知らないが、これの軽度ならば冒頭の人々にも当てはまるのかもしれない。

《自閉症》はメンタルの問題ではない。先天的な脳機能障害とされている。辞書では【言語発達の障害、対人関係・社会性の障害、常同行動が特徴】となっているが、言語障害・知能障害を伴わない自閉症も存在する。これが、昨日の映画に出てきた《アスペルガー症候群》である。


現在の「自閉症スペクトラム(ASD)」の分類は下記図のような感じらしい。
厳密には現在整理中で暫定の分類らしいが、別にASDの学術的解説をしてるわけじゃないので、だいたいの感じがわかればいいかな、と。

自閉症図
※Wikipediaより借用


一時期、「アスペルガー=特異な才能の持ち主」という “ロマンティック” な解釈が流行って当該者がたいへん迷惑し、わたしもけっこう迷惑した(その話はまた後で)。

けれどこの図を見る限り、アスペルガーは特に高知能に限るわけではない。ごく普通の知能・知性を持つアスペルガーも多く存在するということだろう。



三部構成の予定です。映画か(笑)。
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※上記のとおり、ASDの医学的・学術的記事ではありませんのでご注意ください。認識の間違いはコメントにてご指摘願います。