Googleが「ライトサイドかダークサイドを選び、内なるフォースを覚醒させよ」ってうるさいんですけど(笑)。
二者択一になるあたり、底が浅い気がするのはわたしだけでしょうか。
影あってこそ光は際立つ。強烈な光があれば影は濃くなる。光を知らぬ暗がりの生き物はまぶしさに灼かれ、闇を知らぬ無邪気な生き物は暗黒の中で道を失う。片翼の鳥は飛べません。
マンガでありながら、大詰めの場面で1ページ丸々「主人公のひとりの書いた文章」で埋められているという画期的な作品だった、三原順氏の『はみだしっ子』。
異常なまでの芸術家である父親から逃れようとする子、婚外子として生まれ女優志望の母親に棄てられた子、父ゆえに母親が狂死するのを見て退行症状を起こし監禁された子、アル中の父親に殺されかけた子、4人が寄り添い、放浪する目を通して世間を描いた物語です。
その中に、川を挟んで旧市街と新興住宅街が対立する街で、その争いに4人が巻き込まれてしまう物語がありました。関係するまいと思っていたにも関わらず、石を投げつけられて応じ、ふと「軽々と投げてる石の…相手は人間だ!」とためらっても、相手は容赦ない。
転がりこんでいた喫茶店のマスター、退役した兵士で心に大きな傷を持つ彼の言葉をなぞりながら、4人は石を投げ続けます。そしてそれを理由に「仲間に入れてやる」と言うこちら側の連中とも大げんかに…
嘘さ!嘘さ!!
善悪が両岸にまっぷたつに
分けられてるなんて
嘘さ!嘘なんだ!!
嘘さ!嘘さ!嘘さ!
ここは善だけの岸だと
信じきれるなら楽さ!
善い岸に住んで適当な時には
善なんて眠らせときゃね
嘘さ!
ボクがここにいるって
ことだけさ!!
※三原順氏『はみだしっ子:パート7 夢をごらん』より
13歳の少女の胸にしっくりと収まった言葉。以来数十年、作者が若くして亡くなった後も、わたしの心に深々と残り、《骨格》のひとつになったものです。
光と影、両方を抱くもの。浅はかな善悪などに惑わされない「融通無碍(ゆうずうむげ)」なるもの。東洋にはそんな智恵もあったと思うんですがねー…。
久しぶりに読んだら泣けた。

二者択一になるあたり、底が浅い気がするのはわたしだけでしょうか。
影あってこそ光は際立つ。強烈な光があれば影は濃くなる。光を知らぬ暗がりの生き物はまぶしさに灼かれ、闇を知らぬ無邪気な生き物は暗黒の中で道を失う。片翼の鳥は飛べません。
マンガでありながら、大詰めの場面で1ページ丸々「主人公のひとりの書いた文章」で埋められているという画期的な作品だった、三原順氏の『はみだしっ子』。
異常なまでの芸術家である父親から逃れようとする子、婚外子として生まれ女優志望の母親に棄てられた子、父ゆえに母親が狂死するのを見て退行症状を起こし監禁された子、アル中の父親に殺されかけた子、4人が寄り添い、放浪する目を通して世間を描いた物語です。
その中に、川を挟んで旧市街と新興住宅街が対立する街で、その争いに4人が巻き込まれてしまう物語がありました。関係するまいと思っていたにも関わらず、石を投げつけられて応じ、ふと「軽々と投げてる石の…相手は人間だ!」とためらっても、相手は容赦ない。
転がりこんでいた喫茶店のマスター、退役した兵士で心に大きな傷を持つ彼の言葉をなぞりながら、4人は石を投げ続けます。そしてそれを理由に「仲間に入れてやる」と言うこちら側の連中とも大げんかに…
嘘さ!嘘さ!!
善悪が両岸にまっぷたつに
分けられてるなんて
嘘さ!嘘なんだ!!
嘘さ!嘘さ!嘘さ!
ここは善だけの岸だと
信じきれるなら楽さ!
善い岸に住んで適当な時には
善なんて眠らせときゃね
嘘さ!
ボクがここにいるって
ことだけさ!!
※三原順氏『はみだしっ子:パート7 夢をごらん』より
13歳の少女の胸にしっくりと収まった言葉。以来数十年、作者が若くして亡くなった後も、わたしの心に深々と残り、《骨格》のひとつになったものです。
光と影、両方を抱くもの。浅はかな善悪などに惑わされない「融通無碍(ゆうずうむげ)」なるもの。東洋にはそんな智恵もあったと思うんですがねー…。
久しぶりに読んだら泣けた。
