本日、6月11日。
雑節の「入梅 (にゅうばい)」です。
雑節とは二十四節気のほかに気象の移り変わりの目安となる日のこと。節分とか八十八夜とか土用などはすべて雑節です。入梅は文字どおり「梅雨の季節に入る」ことを示す日となります。
<二十四節気についてくわしくは「雨水とかわうそ」へどうぞ>
カレンダーの他に長期天気予報などいろんな情報がある現代とは違って、昔は暦がスケジュールを決める時の唯一の頼りでした。古い暦は誤差も大きかったので、実際の天体の動きに合わせて二十四節気を決めることにして、ズレを調整したのです。
さらに細かく二十四節気を分割して七十二候も作られ、もっと暮らしに添うようにと雑節が考え出されました。農作業や漁の目安となったのですから、暦には生活・生命がかかっていたのです。より細やかにわかりやすくなっていくところに先祖たちの一所懸命な営みを感じます。
すでに実際の気象としては、北陸・東北を除く地域が梅雨に入っていますね。
雨にちなんだ昔話を探してみたら、皆さんよくご存知の昔話の「雨版」みたいなお話が福島にありました。お地蔵さんは我が子たち。親心が福を呼ぶお話をご紹介します。
<地蔵は亡児であるという記事は「雪むかし-『笠地蔵』のこと 結び」へどうぞ>
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
昔々、機織りで暮らしを立てている貧乏な爺さまと婆さまがいた。
織り上がった布を持って爺さまが町へ行って売るが、よその人の布はよく売れるのに、婆さまの絹布はまったく売れなかった。「気根負けしないで頑張るべ」と、毎日売りに行くもののまったく売れない。町へ行く途中にお地蔵さまがあって、毎日拝んで行くけれども、やっぱりまったく売れなかった。
ある日、ものすごい雨になった。それでも爺さまはあちこち売り込んでみたが、「そんな布は泥水の中に埋めろ」と罵られるありさま。さすがに爺さまもあきらめて帰る道すがら、お地蔵さまがずぶ濡れになっているのを見た。「どうせ売れないものだから」と爺さまはお地蔵さまに布をかぶせて雨よけにし、一反はきれいに巻いて奉納して帰った。
今度はもっと良い布を織れと言われて一週間、婆さまは新しい布を織り上げた。さっそく町へ売りに行こうとお地蔵さまの前を通った爺さまは、お地蔵さまに呼び止められた。見ればお地蔵さまの前には大金が積まれていて、「あの布を売った銭だから、この銭を持っていってくれ」という。さらに町へ行ってみると、婆さまの絹布は大金持ちの目に留まって高く買ってもらえた。
家に帰った爺さまが「お地蔵さまがもうけさせてくださった」と言うと、婆さまは大喜びして、それからは機屋で大成功したそうな。
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あじさい写真はまだ整理中。

雑節の「入梅 (にゅうばい)」です。
雑節とは二十四節気のほかに気象の移り変わりの目安となる日のこと。節分とか八十八夜とか土用などはすべて雑節です。入梅は文字どおり「梅雨の季節に入る」ことを示す日となります。
<二十四節気についてくわしくは「雨水とかわうそ」へどうぞ>
カレンダーの他に長期天気予報などいろんな情報がある現代とは違って、昔は暦がスケジュールを決める時の唯一の頼りでした。古い暦は誤差も大きかったので、実際の天体の動きに合わせて二十四節気を決めることにして、ズレを調整したのです。
さらに細かく二十四節気を分割して七十二候も作られ、もっと暮らしに添うようにと雑節が考え出されました。農作業や漁の目安となったのですから、暦には生活・生命がかかっていたのです。より細やかにわかりやすくなっていくところに先祖たちの一所懸命な営みを感じます。
すでに実際の気象としては、北陸・東北を除く地域が梅雨に入っていますね。
雨にちなんだ昔話を探してみたら、皆さんよくご存知の昔話の「雨版」みたいなお話が福島にありました。お地蔵さんは我が子たち。親心が福を呼ぶお話をご紹介します。
<地蔵は亡児であるという記事は「雪むかし-『笠地蔵』のこと 結び」へどうぞ>
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昔々、機織りで暮らしを立てている貧乏な爺さまと婆さまがいた。
織り上がった布を持って爺さまが町へ行って売るが、よその人の布はよく売れるのに、婆さまの絹布はまったく売れなかった。「気根負けしないで頑張るべ」と、毎日売りに行くもののまったく売れない。町へ行く途中にお地蔵さまがあって、毎日拝んで行くけれども、やっぱりまったく売れなかった。
ある日、ものすごい雨になった。それでも爺さまはあちこち売り込んでみたが、「そんな布は泥水の中に埋めろ」と罵られるありさま。さすがに爺さまもあきらめて帰る道すがら、お地蔵さまがずぶ濡れになっているのを見た。「どうせ売れないものだから」と爺さまはお地蔵さまに布をかぶせて雨よけにし、一反はきれいに巻いて奉納して帰った。
今度はもっと良い布を織れと言われて一週間、婆さまは新しい布を織り上げた。さっそく町へ売りに行こうとお地蔵さまの前を通った爺さまは、お地蔵さまに呼び止められた。見ればお地蔵さまの前には大金が積まれていて、「あの布を売った銭だから、この銭を持っていってくれ」という。さらに町へ行ってみると、婆さまの絹布は大金持ちの目に留まって高く買ってもらえた。
家に帰った爺さまが「お地蔵さまがもうけさせてくださった」と言うと、婆さまは大喜びして、それからは機屋で大成功したそうな。
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あじさい写真はまだ整理中。
