ベリル、ベリルと書いていたら、Middle-Earthが恋しくなりました。
以前にも書いたかと思いますが、エルフがもっとも好む宝石は、森の緑に通じるベリル(緑柱石)の類なんですよね。
そういえば、映画『ホビット』冒頭のエレボールの在りし日の光景。壁や階段の一部などに翡翠色が見えます。あれはやっぱり緑色の宝石が珍重されたところからなんでしょうか。
あれ全部、天然の鉱物だとしたら、確かにエレボールの盛栄ぶりは桁違いです。
可哀想なトーリン…

あ、誰も気にしてないとは思いますが(笑)、ひとつ訂正があります。
トーリンを「ドワーフの王子」と書いていたことについて。
彼は一族の始祖に直結する血筋の王孫ですが、王国が失われているためかなり微妙な立場にいます。それであまりはっきりした称号が出ません。
しかも、王であった祖父は映画版でもはっきり死亡していますが、父親についてはどうなったのか曖昧なままなんですね。それで映画版では「王子」とすべきかなと思ったのです。確か、日本語字幕ではゴブリン王が「王子」と呼んでたし(まあ、他では「王」と呼ばれていたりもしてて、よくわかりませんが…)。
ところが、ちょっと調べたいことがあって『追補編』を読み返してたら、原作世界でも父が行方不明になった時点で「ドゥリンの世継ぎ」=「王」となったと見なされているようです。
ゆえに映画版の状況でも、トーリンは「王」との認識が正しい。失礼しました。
そうそう、下記映像の中でも貧しいとか名ばかりだとか言われるトーリンですが、この時点ではホビットたちの住む地域の西にある青の山脈=エレド・ルインに「トーリンの館」をかまえていて、「山の下の王」ではなくても、普通に「エレド・ルインの王」ないし「領主」と言ってもいい立場なのでは…と思ったりします。まあ、本人は不服でしょうけど(笑)。
原作世界ではエレボール滅亡時に24歳のこども。そして故郷を目指し旅立つのはトーリン195歳の時です。父を失い、ひとりで苦労した年月だけでも100年に及びます。
老境に入った彼の胸を焦がした、171年の無念と望郷の念いかばかり…

映画では150歳代に若返ったためか??早くから父親と引き離してしまったためか??
理由は聞き及びませんが、エレボール滅亡から60年後って設定みたいですが。
映画版の壮年の英雄トーリンにホレた身としては言いづらくはありますが(原作のトーリンも好きよ)、この重い年月は減らさないで欲しかった気もします。
ワーナー提供の特別映像です。