本日、2月1日。
お日柄とは全然関係ないんですが、見当たらなかったフラッシュメモリーが見つかってご機嫌な日です(笑)。

 

過去3~4年ぶんの調べものメモが入ってるもので、これで記憶だけで書かずに済むかも。

ただ、わたしのメモって見づらいからなぁ。分類しすぎてこの部分は別項とか続きは別ファイルとか、追ってるだけで自分にイラッとしそうです…汗

 

 

さて、もうじき節分で大寒も終わり。小寒から大寒までの期間を指す「寒中」もそろそろおしまいです。

 

ちょうどメモの中に、寒中におこなわれる行事の「穴施行(あなせぎょう)」を見つけたので、これについて書きたいと思います。

 

 

 

「穴施行」は「寒施行(かんせぎょう)」「狐施行(きつねせぎょう)」とも呼ばれ、寒中にキツネを祀る祠(ほこら)や辻へ食物を供えて回るものです。

 

キツネの巣穴の前に置くこともあったので「穴施行」の名があり、用意される食べ物は、小豆飯、小豆餅、油揚げ、おから、いなりずしなど、地域によりさまざま。

 

 

その目的は、『国語大辞典』によれば「キツネの害を防ぐため」とあり、『デジタル大辞泉』などによれば「餌のとぼしい寒中に狐狸を助けるため」となります。

 

 

「施行」とは仏道において善行を積むためのおこないのひとつで、僧侶や困っている人に金品をほどこすこと。

 

「乞食(こつじき)」が蔑みを含んだ「コジキ」に変化したように、「ほどこし」という言葉も相手をバカにしているように受け取られることが増えましたが、もともとは「ほどこすことにより、ほどこした自分のほうが救われる。善い行いをさせてもらう」という感覚のものでした。乞いに応じることで仏とよい縁が結べたと喜んだわけです。

 

 

少なくとも、その「施行」の名がついているからには、狐狸を助けてやろうという慈悲の心もあるのかなと思えます。

 

 

 

しかし、田の神信仰と混じって農村でも重要な神であった「稲荷」の使いとはいえ、実際には作物を荒らす困りもの。

 

現代の限界集落で暮らす人の記事を読んだことがありますが、収穫物を獣と争うような暮らしだとありました。食べ物はスーパーで買える環境での感覚では量れないシビアさがあっても不思議ではありません。

 

 

 

 

それに、実際の給餌としてはメニューが微妙です。動物を観察した上でのものとは、とても言えません。

 

そういえば、オオカミを祀る神社でも小豆飯を供えていました。昔話で、山犬へのお礼として道に置く供え物も小豆飯です。これは動物の食性に沿ったものではなく、あくまでも神事としての供え物と思われます。

 

 

 

 

供え物を置く場所として「辻」が必ず挙げられているのも気になります。

 

辻は多くの人、そして神霊の行き来する場所で、特殊な場所と考えられていました。集落に悪い霊が寄りつかないように「道祖神(どうそじん、ふなどのかみ)」が置かれて「辻の神」とも呼ばれたり、南日本には「辻神(つじがみ)」という魔物の言い伝えがあったりします。


余談ですが、「辻」という字は漢字ではありません。道を示す「辶(しんにょう)」に道が交差する様子を表した「十」を加えて、日本で作られた「国字(こくじ)」です。いかに日本人が交差路を気にしたかが窺える気がします。

 

 

 

その昔、田の神は春に山から降りてきて、秋の収穫が終わると山へ帰るとされていました。

 

私見ですが、辻を通って集落へやってくる田の神を迎えるための行事が、田の神=稲荷となった時点で使いのキツネへの「おふるまい」となり、さらに仏事に取り込まれ、ついた「施行」の名によって次第に「生類あわれみ」の行事だと思われるようになっていったのではないか。そんなふうに考えたりします。

 

 

 

「寒施行」は冬の季語です。俳句に詠まれるうち、ますます感傷的な情景になっていったのかもしれません。

 

実際には、子どもがキツネに扮して食べ物を食べて歩く地域もあったといいますから、やっぱり給餌はつけ足りに過ぎないと思うんですがねぇ。

 

 

 

 

キツネといえば、去年のハロウィーンの頃、ノルウェーのコメディアン2人組「イルビス」が、子ども向け番組で歌った「ザ・フォックス」という曲が世界的に大ヒットしました。

 

 

「キツネってなんて鳴くの?」を延々と問い続け、変な仮想アンサーで踊りまくるコミックソングで、アメリカではこのためハロウィーンの仮装ナンバーワンが「キツネのかぶりもの」になったそうです(笑)

 

 

(↑YouTubeの貼りかたがやっと理解できたので、追記しました 笑)

 

 

外国ではキツネの鳴き声は不明なんですね。

確かに、実際には「コン、コン」とも鳴かないような気もしますが…、

 

キツネってなんて鳴くの?

 

 

 

 

ペタしてね