
私は行かない 派!
ひとくちに無愛想といってもいろいろあります。
そのお店の雰囲気に合った「口下手な職人」みたいなオヤジさんだとか、
まあ、見るからに経験浅くて、いっぱいいっぱいで、愛想どころじゃない若人とか、
そういうのは別にかまわないと思うんですよ。
ただ、よく話題になる「ああしろ」「こうしろ」「でなきゃ出て行け」みたいな
「独善料理人」には完全否定派です。
味覚に個人差があるのは当然として、それ以外にも食に関わる要件はいろいろあります。
たとえば若い人と年配者では口内の水分量から違います。
プロの料理は千差万別のお客に食べさせるためのもの。
自分の口ひとつで数百、数千、数万の年齢、性別、体質、体調、栄養状態の人々に
ぴったりの方法論を導き出せるとでも思うのでしょうか。
気温、湿度、天気などの変化さえ、ひとつの方法だけで乗り切れるというのでしょうか。
目の前のお客のことには何ひとつ気を回せず、せまい了見を常に押し通し、
従順な信奉者にちやほやされて、これでよしと思っているような人が、
本当に美味な料理を作れるとは思えませんし。
まして、調理もせず、ただ料理を運んでいるだけの人間が、気持ちよい接客をする、
愛想よくふるまう努力すらしないなど、論外です。
それを放置しているなら、お客を迎える店主の誠意・熱意の程度も知れます。
わたしは真面目に働くのが好きだし、真面目に働く人たちが好きですから、
飲食業の接客で6年ほど、調理方で2年半ほど働いた経験を踏まえたうえで、そう思います。
高級店ならお客がゆったりとくつろぎ、安価な店なら気楽にのびのびしていられる。
その「外食という時間を楽しむ」とか「リラックスできる」感覚も「味」のうちだと思います。
お客の楽しみを妨げるような店は、「不味い」のです。