本日、1月19日。
初めは「エドガー・アラン・ポーの誕生日」とやるつもりだったんですよ。


1809年生まれのアメリカの詩人・作家で、代表作は「アッシャー家の崩壊」や「モルグ街の殺人」など。日本では推理作家・江戸川乱歩のペンネームの基としても有名で、恐怖小説や探偵小説の作家として知られています。
わたしもいくらかは読んでいますが、取り上げたかったのは、彼の批評家としての生涯です。


実は数年前、TVでポーの再評価みたいな番組をやってまして。

ポーは「トマホーク・ポー」の異名を持つ、非常に辛辣な批評家だった。彼にはアメリカ文学を確立する夢があったためだが、それゆえに憎まれ、雑誌のオーナーや同僚にも嫌われて没落、貧しげな身なりからか悲惨な最期を遂げた…だいたい、そんな理解をしてました。


実際、ポーは行き倒れ同然の死を遂げています。死因やいきさつは謎ですが、選挙をめぐる犯罪行為に巻き込まれ、あり得ない量のアルコールを強いられて中毒死したという説が有力です。また、いくつかの雑誌を渡り歩いていますが、円満に過ごしたところは少なく、激辛批評に恨みを抱いた人物により、死後、中傷的な追想記を書かれてさらにおとしめられた、という事情も事実です。

ただ、調べ直してみたら、ポーのほうにもいろいろと問題があり、芸術家肌ゆえ…とも言えるでしょうけど、個人的には、思い入れるほどのことはなかった、というのが素直な感想です。


メディアはこれが困ります。歴史ブームで歴史番組も増えましたが、取り上げた人物に都合の悪い逸話は切り捨てて、すっきりまとめてしまう番組が大半。敵対する人物を続けて取り上げていると、1週間で人物像が180度違ったりします(笑)。

まあ、歴史というもの、人の営みというものは見かたによってこんな矛盾を含むのだよ、という、いい教科書にはなっていると思いますが、予備知識なく見てしまって、信じ込むとこういう不都合が起きてしまうわけです。


ついでに書くと、ネットもひどいですね。コピペだらけなので、発信元の人が間違っていたり偏っていたりすると、まったく同じ間違いや決めつけがずらーっと並んでいます(笑)。

間違った情報を聞きかじっただけで、他の人をバカ呼ばわりしている記事など見ると、なんかもう、笑えてきますよね。こういうのを「失笑を禁じ得ない」といいます。


知りたいことがあったら、自分で考えながら追及しなくちゃいけないなとあらためて思いました。楽をすると楽をしたぶんしか手に入りません。

まして、他人様に読んでいただくのならなおさらのこと。このブログも苦戦すると4~5時間かかる面倒さですが、ネット上に嘘を流すもとにはなりたくないので、がんばりたいと思います。これからもどうぞよろしく、間違いがありましたらぜひご教示くださいね。


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