先日の夜の部に続いて、この日は昼の部を観劇。
■国性爺合戦(こくせんやかっせん)
近松門左衛門作。人形浄瑠璃での初演時には17ヶ月連続ロングランしたという人気作。
結構有名な作品ですが、戦後では意外に上演回数は少ないですね。
歌舞伎座や演舞場よりも国立劇場での上演が多いですし。何故でしょうか。
父の祖国、中国は明王朝を再興するために、
日本生まれの和籐内(松緑)が大暴れをするという活劇。
今回は腹違いの姉・錦祥女(芝雀)と、その夫・甘輝将軍(梅玉)に協力を請うため、
和籐内親子が獅子城を訪れる場面。
和籐内による荒事仕立ての場面に加え、親子の情愛も色濃く描かれ、
江戸時代に大ヒットしたのもうなずける良作。
場面転換も派手で、歌舞伎のエッセンスが随所に盛り込まれています。
もっと上演する頻度を増やしてほしい演目です。
■勧進帳(かんじんちょう)
夜の部とは配役を入れ替え、
弁慶を團十郎が、富樫を幸四郎が演じます。
幸四郎の富樫は何と25年ぶりだとか。平成になってからは初。
團十郎の弁慶は威風堂々かつ愛嬌もあり、
個人的には一番しっくりくる弁慶のイメージです。
富樫役の幸四郎。
知的で風格のある役はぴったり。
しかし年のせいか、弁慶との台詞の応酬のときは滑舌が怪しい・・・
この両巨頭を相手に昼夜に渡り義経を演じるのは
上方の人間国宝・坂田藤十郎。
こちらの落ちぶれながらも確かに気品を備える義経の演技は見事。
昼夜どちらも見ごたえのある勧進帳でした。
毎年のように見ていますが、何度見ても飽きない名作!!
【総括】
今回の目玉は主演入れ替えの勧進帳でしたが、
染五郎降板の穴を見事に埋めた梅玉が殊勲賞だと思います。
「これはこれで良いものを見た」とみんな思える演技でした。
團十郎は相変わらず江戸歌舞伎らしい張りのある演技でしたが、
幸四郎にやや老いが感じられてきました。
昼夜の勧進帳ダブルヘッダーで実感したのがイヤホンガイドによる解説の差。
昼は高木美智子氏、夜は小山觀翁氏でした。
高木さんは歌詞の読み上げを軸に解説は極力少なくしていたのに対し、
小山さんはむしろ詳細に、歌の聞きどころ、演技の見どころを解説していました。
これは好みの分かれるところですが、
この解説の違いも楽しみの一つといったところでしょうか。


