今月の新橋演舞場は七代目・松本幸四郎の追遠公演ということで、
彼の孫である当世・幸四郎と團十郎が、
「勧進帳」の弁慶・富樫を昼夜入れ替えで競演するという好企画。
今月はまず夜の部から。
■曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
河竹黙阿弥作、通称「御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)」
昨年の震災の月に吉右衛門、菊五郎の人間国宝コンビで上演していた演目。
今月は染五郎、松緑という若々しい組み合わせのはずでしたが、
先日の事故で主役の五郎蔵は急遽、梅玉に。
染五郎の降板は残念でしたが、
梅玉の五郎蔵は良かったです。さすが歌舞伎界の貴公子。
彼の相手は、松緑には少し荷が勝ちすぎていたか。
■勧進帳(かんじんちょう)
歌舞伎十八番のひとつで、おそらく最も多く上演されている演目。
兄・頼朝に追われ、山伏の一団に化けて奥州へ逃げようとしている義経一行を、
途中の関所を守る富樫が詮議するという内容。
夜の部では幸四郎が弁慶を、團十郎が富樫を演じます。
幸四郎は弁慶を1千回以上演じており、これは現役最多。
しかも日本全都道府県で弁慶を演じた記録も持っている、正に持ち役。
対する團十郎も、十八番を御家芸とする市川家宗家として堂々とした富樫。
富樫の出(登場)から、弁慶の飛び六方での引っ込み(退場)まで、
最後まで見どころ満載の演目。
これぞ歌舞伎!という感じでした。


