九月の新橋演舞場は、


初代中村吉右衛門の芸を現代に継承する


「秀山祭」となっています。


※秀山は初代の俳名。



主演はもちろん、二代目吉右衛門。



【昼の部】


■寺子屋


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書の大家・菅原道真と、彼の座を脅かす藤原時平の権力争いに、


松王丸、梅王丸、桜丸の三つ子が巻き込まれていく、


歌舞伎三大名作のひとつ「菅原伝授手習鑑」の四段目。



道真を恩人と仰ぎながら、敵対する時平に仕える松王丸の苦悩。


道真の嫡男、菅秀才の危機を救うため、自らの息子・小太郎を替え玉にする。


この辺のやりとりは伽羅先代萩にも似ていますが、


息子の死に様を聞き、涙ながらに幼子の見事な最期を褒め称える松王丸。


この重厚さはさすが人間国宝・吉右衛門。ちょっと涙ぐんでしまいました。



■河内山


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江戸城お抱えの役職という立場を利用して、


庶民からも大名からもお金を巻き上げる悪僧(?)・河内山の話。


序盤は質屋に無理難題を言って金をせしめようする横暴な人間に見えるも、


その質屋の娘を救うため(もちろんこれも礼金が目的ですが)


我侭な大名の邸宅に単身乗り込んで一芝居を打つという、


強気に媚びない何とも言えない魅力を持つ河内山。



今年は仁左衛門が演じたものに続いて二回目ですが、


吉右衛門の方がコミカルさがあって良いですね。


仁左衛門の悪役は色気があってちょっと共感を持ちにくい。



昔は子供だけで演じる「子供歌舞伎」というものがあり、


初代吉右衛門はこれらの大役を既に少年時代から演じていたそうです。


今や伝説の役者ですが、どんな演技だったのでしょうか・・・



【夜の部】


■時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)

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織田信長の逆鱗に触れたため、様々な辱めを受けた明智光秀が、


本能寺の変を起こす決意を抱くに至る過程を描いた作品。


明智光秀の最期を知っているせいか、ラストはいまいちカタルシスに欠けてしまいますが、


温厚な光秀がキレる気持ちがわかるほど信長がムカつく男に描かれています。


本当にこんな奴だったのでしょうか。


謀反を決意するきっかけが、自身でなく妻への侮辱だったというところが男らしいですね。



久々に吉右衛門の真骨頂であるダイナミックで風格のある演技を見られました。


三代目は誰が名乗るんでしょうねぇ。ちょっと想像つかないかな。