待ってましたっ

中村勘三郎、復帰公演。夜の部のレビュー。

歌舞伎、ワイン、etc…ブログ 『CAVINET』

■双蝶々曲輪日記~引窓(ふたつちょうちょうくるわにっき・ひきまど)

人気力士・濡髪長吉は贔屓の客の為に殺人を犯す。

長吉は逃亡先に母を頼るが、

母の嫁ぎ先の息子・南与兵衛は代官職に就いており、

逃げる側の実子と、捕らえる側の養子との間で苦悩する母。

引窓から差す月明かりで手水鉢に長吉の姿が映る場面が有名。
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全体的に重い話の割りにトントンと展開していくために、

それぞれの役への感情移入が追いつかない印象を受けました。


■お祭り
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客席からの「待ってましたっ!!」の掛け声に

「待っていたとはありがてぇ」と役者が応える、

復帰作に相応しい舞踊劇。これを見に大阪まで足を運んだのです。

夜の部での勘三郎の出番はこれだけ。

やっぱり昼も見ておいてよかったですが、

中村屋の復帰に「お祭り」は見ておかないと!!


■一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)

親方から破門になり文無しになって途方に暮れる力士・茂兵衛(勘太郎)。

そんな茂兵衛に同情し、お金と櫛、かんざしを与え、

「横綱になって、親類を見返してやんな!」と励ます酌婦・お蔦(七之助)。

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十年後、お蔦と娘の元に夫・辰三郎(松也)が帰ってくるが、

辰三郎はイカサマ賭博でヤクザ者から追われる身。

家が囲まれ大ピンチの時に一家の前に現れたのは

力士としての夢は破れるも、男を上げて帰ってきた茂兵衛の姿だった・・・

あまりの変貌ぶりになかなか茂兵衛と気付けないお蔦でしたが、

やくざを「よいしょぉ!」とぶちかましでふっ飛ばす姿を見て

「思い出したーーー!!」と合点する場面で拍手喝采!!


垢抜けない力士から、颯爽とした博徒への変貌を演じる勘太郎と、

世間に興ざめしながらも色気を醸し出す七之助の兄弟の演技は素晴らしかったです。


【総括】
人情話を演じることにかけては他の一門に比べ中村屋が抜きん出てるという個人的な印象。

勘三郎不在時にも勘太郎・七之助兄弟は古典にも新作にも精力的に取り組んでましたし、

今後が期待できる一門です。勘太郎は来年、勘九郎を襲名しますし。

そんな成長中の兄弟を従え、流石の演技はやはり勘三郎。

抜群の演技力と安定感がありますね。まだまだ頑張って欲しい!

橋之助、扇雀と脇を固める面々も素晴らしく、大阪まで足を運んだ甲斐がありました。