博多座では三階席からでも花道が見やすいです。
休憩中は係員の方がゴミを回収して回ってくれる、
きめ細やかなサービスも魅力。
さて、夜の部の感想。
■仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 七段目
人形浄瑠璃・歌舞伎の「三大名作」と呼ばれる演目のひとつ。
タイトルの通り忠臣蔵を題材にしているものですが、
実名で演じてしまうと幕府から怒られてしまうので、
登場人物の名前は若干変えてあります。
・大石内蔵助⇒大星由良助(おおほしゆらのすけ)
・吉良上野助⇒高師直(こうのもろのう)
・浅野長矩⇒塩冶判官高貞(えんやはんがんたかさだ)
など。
※同様の例に「織田信長⇒小田春永」「羽柴秀吉⇒真柴久吉」があります。
その中の一幕、七段目「祗園一力茶屋の場」。
高師直への仇討ちの準備を着々と進める塩冶判官の家臣たち。
しかしリーダー格の大星は、主君の命日が近づいても放蕩三昧。
敵味方揃って「大星に仇討ちの意志なし」と思っていたが・・・
一年もの間、道化を演じて敵も味方も欺き、
着々と仇討ちの準備を進めていた大星ですが、
最後の最後で密書を盗み見される場面が有名。
二階から手鏡で、縁の下からも見られています。
詰めが甘すぎ!!
大星を演じるは幸四郎。
平右衛門とおかるの兄妹はリアル兄弟の梅玉・魁春。
このあたりはベテランですし、名作ゆえに安定した演技と内容でした。
■英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)
いわゆる「石橋(しゃっきょう)」もの。
自然に出来た石橋のある清涼山にいるとされる獅子が暴れる、
ともかく獅子が舞う演目なのですが、
最近日本各地で毎月のように「石橋」ものをやってるような気がしますが・・・
本作は前半は姫の姿での舞い、後半は獅子の狂い。
演じるは人間国宝・坂田藤十郎。
姫姿での舞踊はさすが藤十郎と言う艶やかさ。
しかし後半の獅子は、高齢のせいか勢いが足りない・・・
周囲の若手がアクロバティックな技で気を引いていますが、
藤十郎は見得を切っているばかり・・・年を考えると当然ですが・・・
しかし見せ場の毛振りは一生懸命回していました。
■魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
河竹黙阿弥が明治の名優・五代目尾上菊五郎の為に書き下ろした名作。
普段は分別があるが、一度酒を飲むと途端に人が変わる宗五郎。
願をかけて断酒をするも、妹が奉公先で謎の死を遂げる。
その真相を知った宗五郎は遂に酒に手を伸ばす・・・
尾上菊五郎の当たり役。
妹の死に、悲嘆に暮れる宗五郎一家でしたが、
宗五郎が酒を飲み始めると空気が一変!!
これはかなりのチームワークが必要。
最初は湯のみ、次は片口(今で言うデキャンタみたいなもの)、
最後は酒樽とどんどんエスカレートしていく。
すっかり酔いが回った宗五郎は妹の奉公先の屋敷へ殴りこむのでした。
この演目を見に行ったようなもの、というくらい期待して観劇したのですが、
期待通りの大満足の出来栄えでした。
秋には團十郎・海老蔵親子が来る博多座。




