ちょっぴり奮発して二階A席。


舞台上手が厳しかったですが、花道が全貌できて良かったです。



■「吹雪峠(ふぶきとうげ)」


昼の部同様、こちらも新歌舞伎。昭和10年初演。


やくざの兄貴分の女房を寝取ったという訳ありの夫婦。


峠越えの途中吹雪に遭い、命からがら山小屋にたどり着くが、


そこに後から女房の元旦那、つまりかつての兄貴分が入ってきて・・・



短い上演時間、場面は山小屋の中のみというシンプルな構成ながら、


極限状態における人間心理の変化を的確に表した作品。


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兄弟分の契りを破ってまで愛し合っていたはずの夫婦が、


お互いの命を差し出してまで命乞いをする様を目の当たりにして、


兄貴分・直吉は劇のラストで


「色より恋より情けより、命を大事に生き延びろ!」と吹雪の中で山小屋を後にします。


色、恋、情けというものを捨ててまで生き延びるよりも、


吹雪のほうがまだマシだ、という境地。



兄貴分・直吉を染五郎、弟分・助蔵を愛之助、女房・おえんを孝太郎という配役。


愛之助と染五郎が逆の方が良かったかなぁと思ったり。


以前愛之助が直吉を演じたときの助蔵役は獅童。


こちらもやっぱり逆の方が良かったかもなぁと思ったり。



■「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」

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先ほどの吹雪とは打って変わって、次は夏。


明るい祭囃子が響く中、泥にまみれて舅を殺害する場面が印象的な人気狂言。

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平成中村座が好んで上演してますね。


主役の任侠・団七役を吉右衛門、その相棒・徳兵衛役を仁左衛門という、


大物コンビで送る本公演の目玉とも言える演目。


安定感はありましたが、こういう無鉄砲なヤクザ役を演じるには二人とも年を取りすぎている感。


歌舞伎座さよなら公演における海老蔵・獅童コンビはハマッていました。


普段からガラが悪そうだからかもしれませんが・・・



逆にその二人の親分筋にあたる三婦(さぶ)役の歌六が非常にいい味を出していましたね。


歌六が演じるのは14年振りとのこと。演技に円熟味が出てきているし、今後も演じて頂きたい。


にしても成田屋・音羽屋が本作を演じる機会が非常に少ない模様。何か理由があるのでしょうか。



■「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」


通称「かさね」。ユーモラスなタイトルですが、内容は凄惨そのもの。


侍・与右衛門は、奉公先の家元・かさねと恋仲になるというタブーを犯し逃亡。


与右衛門の子供を身ごもっていたかさねはその後を追うが、


与右衛門にはかさねに言えぬ罪深い過去と凶暴な一面を持っていた・・・



前半は恋焦がれる女と、つれない男という男女のしっとりした舞が続きますが、


小川から卒塔婆と髑髏が流れてくると空気は一変。


与右衛門の過去の悪事が続々と露呈され、かさねの身にも呪いが降りかかります。


醜く変貌したかさねを殺そうとする与右衛門。


彼が親の仇だと判明し、その仇と恋仲になった業からのろわれてしまったかさね。


愛情が一転、憎悪に転じ、凄惨な舞へと変貌します。


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夜の部・三作品は精神が強靭でないと感情移入しながら見てられないかも・・・


それくらい強烈な場面が続く演目の組み合わせでした。


明るい内容の演目も混ぜて欲しかったかなぁというのが感想でした。