『地獄の警備員』
公開 1992年6月13日
上映時間 97分
製作国 日本
製作会社 日映エージェンシー
ディレクターズ・カンパニー
配給 アテネ・フランセ文化センター
【作品概要】
黒沢清の初期作品で、サイコパスのガードマンの殺戮を描いたスリラー映画である。
【スタッフ】
監督 黒沢清
脚本 富岡邦彦
黒沢清
製作 中村俊安
製作総指揮 宮坂進
生駒隆治
音楽 岸野雄一
撮影 根岸憲一
編集 神谷信武
【キャスト】
成島秋子 - 久野真紀子
富士丸 - 松重豊
兵藤哲朗 - 長谷川初範
吉岡実 - 諏訪太朗
野々村敬 - 緒形幹太
高田花枝 - 由良宣子
久留米浩一 - 大杉漣
間宮 - 田辺博之
白井 - 内藤剛志
他
【あらすじ】
成島秋子は商社に就職し、絵画取引部門で働き始める。同じ日に入社した警備員の富士丸は元力士で、彼は過去に殺人を犯したのだが、精神鑑定の結果、無罪となっていた。しかし、富士丸は周囲の人間を次から次へと殺害していく。やがて、残業のために会社に残っていた成島秋子は、富士丸と対決することになる。
【コメント】
カンヌやヴェネチアで受賞を果たし、今や日本を代表する映画監督となった黒沢清が、36歳の時に撮ったスリラー映画である。黒沢は、本作が四作品目で、ストーリーにしろ撮り方にしろ、さすがにダイヤモンドの原石的な出来に留まっている。
次作の『CURE』も、同じくサイコパスを描いたスリラー映画であるが、格段の違いを見せ大化けしている。
本作は、サイコパスである元力士がガードマンとなり、ヒロインと出会ったことをきっかけに、次々とビル内の同僚や会社員を殺害して行く様を描いている。
ラスト近くのガードマンのセリフである、「俺にはお前達と違う時間が流れている、絶望がすべてだ」というのが殺戮の動機であるらしい。
ラストシーンは、ありきたりだし、肝心の主人公二人の演技は上手いとは言えない。黒沢のシンパなら見た方がよい程度の作品である。

