『来る』
制作会社 東宝映画 ギークサイト
製作会社「来る」製作委員会
配給 東宝
公開 2018年12月7日
上映時間 134分
製作国 日本
【作品概要】
澤村伊智『ぼぎわんが、来る』を原作に、監督は中島哲也が、主演は岡田准一が務めた。
【スタッフ】
原作 - 澤村伊智「ぼぎわんが、来る」(角川ホラー文庫)
監督 – 中島哲也
脚本 – 中島哲也 岩井秀人 門間宣裕
製作 - 市川南
エグゼクティブ・プロデューサー - 山内章弘
企画・プロデュース – 川村元気
プロデューサー - 西野智也 兼平真樹
制作プロデューサー - 佐藤満
ラインプロデューサー - 内山亮
撮影 - 岡村良憲
照明 - 高倉進 上野敦年
録音 - 矢野正人
美術 - 桑島十和子
他
【キャスト】
野崎和浩 - 岡田准一
田原秀樹 - 妻夫木聡
田原香奈 - 黒木華
田原知紗 - 志田愛珠
比嘉真琴 - 小松菜奈
比嘉琴子 - 松たか子
津田大吾 - 青木崇高
逢坂セツ子 - 柴田理恵
他
【あらすじ】
恋人の香奈との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に来訪者が現れ、取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前だった。そして来訪者が誰かわからぬまま、後輩が謎の死を遂げる。それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、謎の存在を倒すため、国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子をはじめ、全国から猛者たちを次々と召集する。
【コメント】
すさまじい娯楽エンターテイメント・ホラー映画である。確かに突っ込みどころはある。さんざん現れる青虫の意味は最後までわからないとか。しかし、それを補って有り余る演出と手法と展開がオープニングからラストまで続く。
中島哲也は、08年の『パコと魔法の絵本』までは、コメディーやファンタジーを得意としていた。CMやミュージック・ビデオで磨いた、CGやアニメーションやBGMに合わせた演出や過去と現在が入り組むなど様々な撮影技法を屈指し、スピーディーでエンターテイメントに溢れた映像作品を連発している。
脚本を担当した09年の『ララピポ』から、人間や社会の暗部に切り込む作風を見せ始め、10年の『告白』では、娘を殺された女性教師が、事件が起きた時一緒にいた成人した娘の同級生を追い込むミステリーを描き、第34回日本アカデミー賞最優秀作品賞を始め、数々の映画賞を獲得している。
本作は現時点での最新作で、前作『渇き』からおよそ五年ぶりの作品である。中島は、当初から『ぼんぎわが来る』を評価しており、監督のオファーを受けると、岩井秀人とともに一年をかけ脚本を書いている。
この作品は、娯楽映画、ホラー映画として優れているだけでなく、やはり得意とする人間の暗部に迫るものがある。
田原は、表面的にはイクメンの優しいパパだが、本質はまったく違うものを持っている。
野崎も恋人に中絶をさせた過去に苛まれている。しかし、それらを巻き込んでラストまで一気に魅せてしまう疾走感がある。


