「サウスポー』

公開 2015年6月15日

製作国 アメリカ合衆国 中国

製作会社

ワンダ・ピクチャーズ

リッシュ・プロダクションズ

エスケイプ・アーティスツ

フークア・フィルムズ

配給 ワインスタイン・カンパニー

【作品概要】

アントワーン・フークアが監督をした、スポーツ・ドラマ。一人の男のどん底からの再生を描いている。


【スタッフ】

製作

トッド・ブラック

ジェイソン・ブルメンタル

スティーヴ・ティッシュ 他

製作総指揮

ボブ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタイン

ジリアン・チャオ

ゲイリー・チェ 他

監督 アントワーン・フークア

脚本 カート・サッター

音楽 ジェームズ・ホーナー

撮影 マウロ・フィオーレ

編集 ジョン・ルフーア

【キャスト】

ビリー・“ザ・グレート”・ホープ - ジェイク・ギレンホール

ティック・ウィルズ - フォレスト・ウィテカー

モーリーン・ホープ - レイチェル・マクアダムス

アンジェラ・リヴェラ - ナオミ・ハリス

ジョーダン・メインズ - カーティス・“50セント”・ジャクソン

レイラ・ホープ - ウーナ・ローレンス

ラモーン - ヴィクター・オルティス

【あらすじ】

無敗の世界ライトヘビー級王者、ビリー・“ザ・グレート”・ホープ。捨て身のファイトスタイルで絶大な人気を誇こり、愛する妻と娘とともに幸せな日々を過ごしていた。ある日、チャリティ・パーティの席でライバル選手からの挑発を受けたビリーは、短気な性格が災いして乱闘を引き起こしてしいまい、相手の兄弟が発砲した流れ弾がビリーの妻にあたってしまい、帰らぬ人となってしまう。ボクシングに身が入らなくなったビリーは敗れ続け、自殺未遂まで起こしてしまう。プロモーターから一年間の謹慎を命じられたビリーは、ついに最愛の娘とも引き離されてしまう。

全てを失ったビリー。彼は人生の再起をかけ、過去に自身を苦しめた対戦相手のトレーナー、ティックのもとを訪れる。ところがティックはビリーのファイティングスタイルを全否定し、彼に辛辣な言葉を浴びせる。ビリーはティックのもとでボクシングの基礎を一から学び直す。周囲からは、ビリーに対して罵倒が降り注ぐが、トレーニングを続け、ついに妻の死亡の原因となった宿敵と対戦する。

【コメント】

フークア監督としては珍しい人間ドラマであり、脚本はカートサッターが担当している。
監督デビュー以来、アクション映画を得意として来たフークアであるが、この作品でもその手腕は十分に発揮され、ボクシングの試合や練習シーンは、リアリティーたっぷりである。主演のジェイク・ギレンホールは、肉体もボクシングの動きも、世界チャンピオンという設定が矛盾しないほどのものを見せている。
ストリートは、栄光を極めたボクシングの世界チャンピオンが、自身の短期が災いして、妻を事故で失ってしまう。その後は負け続けてしまい、精神や行動も酷く低迷する。娘とも引き離され、財産も没収。どん底を味わうが、かつて自分を追い詰めた対戦相手のトレーナーを訪ね、最初は突き放されるも弟子入りをする。最愛の娘とかつての栄光を取り戻すため、努力の日々を重ねるといったいったところで、オリジナル・ストーリーとしては、平凡と言えば平凡である。
ただし、一度は娘からも拒絶を受けたり、ボクシング・スタイルを全否定されたり、スラムに住むボクサー志望の少年との交流など、小技が効いている。
もう一捻り欲しいところだが、ボクシング映画としても、人間ドラマとしても良品である。