もう経営者歴も長くなってきて14年目にもなる。
40歳にしては長い方だろうが、なかなか進歩しないというか、四十にして惑い続けている。
不惑ってのは、嘘やで…というのがこの一年に一番学んだことかもしれない。孔子ちゃんたら!ウ・ソ・ツ・キ!
そうは言いながらも、30歳そこらで独立したての人たちから見たら経験豊富な先輩という事になるので、『会社経営をする上で一番大切なことは何ですかっ!?』とか訊かれてしまう。
『んー、わからん』というのが正直な答えなのだけれども、そんな愛想のない答えをしてしまうほど冷たくないので、一応考えてみる。
いろいろある。
僕は数字を読めない人間は経営者になるべきではないと思っているので、会計の知識は当然持つべきだ。
法律の知識も、営業のノウハウも必要だろうし、心理学も必要かもしれない。
でも結局のところ、一番大切なのは(あまり精神論にはなりたくないのだけれども)精神力だ!!!と思う。
特にこんな時代です。売り上げの悪いとき、慌てふためかずにいれるか?もしくは、いろんなトラブルが社内外で発生した時に冷静に対処できるか?
社長は孤独だって言いますが、基本的には社長の気持ちってのは社員には理解して貰えないもんだと思っておいた方がいい。うちのスタッフは非常に優秀な人間が揃っていると自負してるが、優秀なのと理解されるのは別問題ですよ。
以前、信頼してたスタッフが辞める時、『辞表を持っていっても社長は止めてくれなかった。寂しく思った。』なんてことを後から言われたが、彼は社長の気持ちってのを全く理解してない。そんな事、言える筈がない。信頼してればしてるほど。
また数ヶ月、月次決算で赤字が続いても慌てて人員整理を含む経費削減に踏み込まずにいれるかというのも、『武士は喰わねど高楊枝』ではないが精神力のいることである。給料やボーナスのカットはまさに悪魔の誘惑だ。毎月、『僕たち、今月の給料要りません!』って誰か言ってくれないか夢に見そうだが言ってくれたことはない。当たり前だが。
こんな僕に精神力があるかどうかと訊かれると答えに窮するが、腹括ってやるしかない。
それが経営者ってもんです。