4月20日。いよいよ開催します。
帰ってきたブルジョワ会『満KAN全席』。

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13時、開宴予定です。内容に関しては、

「あ、ワインね。だいたい決めてます。ちゃんと手に入るかまだわからないけど」

っていうユルい進行具合ですが、エビ氏のほうは、もうアイデアが完全に固まってるようで、とにかく楽しみです。

参加メンバーの皆さん、おおいに期待していただいて結構です!

自分で無駄にハードルを上げちゃうぐらい、今回は手応えを感じております。


本来であれば、ここで当日のワインリストや料理の内容等を発表するのが自然な流れですが、その前に、僕のワイン会に懸ける思いを語る必要があるでしょう(この期に及んで、まだ内容が確定してないから苦し紛れにごまかしているわけではありません)。


この『満KAN全席』の原型は、今から約6年前(僕が恵比寿イニッシュモアの社員だった頃)に、ミヤザキさん主催で行われたワイン会の影響を受けている事を否定できない。恵比寿の愉快な仲間たち数人を集って、ひっそりと行われたプライベート・パーティ。近所のお友達の協力を得て、エスカルゴのガーリックバター焼きやフォアグラのテリーヌを、レストランからそっくりそのままケータリング。強力なスポンサーから提供されたドンペリニヨンに始まり、某有名ワイン・インポーターの在庫リストから直接購入する事で、格安の参加費(=少ない予算)にもかかわらず、ゴージャスな内容だった。その時のワインの写真を数枚見つけました。懐かしい!

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このインポーターが持ってたリストには、有名銘柄の40年代~50年代のヴィンテージがけっこうあったのを覚えている。しかも、そんなに高価じゃなかった。通常の90年代のボトルとかで、1本2万円ぐらいする高級銘柄の50年代のボトルって、希少価値もあるし、かなり値段が跳ね上がって高価なのではと想像するんだけど、実際はだいたい1万2~3千円ぐらいで手に入る感じだった。この金額だったら、みんな買うんじゃないかと思いきや、そこがワインの深いところ。おそらく買わない人がほとんどでしょう。なぜなら、もう死んでる可能性が高いから。きっと美味しくないし、ただ古いだけの価値しかない。飲み頃を過ぎて、ゴミ同然かもしれない商品に1万円を払うよりも、他の美味しいワインを購入するほうが健全でしょって事。もしこれがウイスキーだったら、まったく別の話だけど。


そのリストから吟味して選び、かなり手頃な価格で購入したのは「 Ch. ランシュ・バージュ '70 」。30年以上昔に収穫された葡萄から造られた、自分より年上のワイン。運が悪ければ、これも死んでる(もしくは生きていたとしても、飲み頃を過ぎてる)可能性はゼロではなかった。

しかし、素晴らしい美味しさに皆が感動した。色はレンガ色をしていて、味にも少し枯れたニュアンスを感じるんだけど、果実味という、みずみずしい生命力が溢れていて、それはもう魔法のような体験だった。



希少なボトルに出会うという意味では、この当時が一番ノリにノっていた時期だと思う。そういうモノを真剣に勉強している時期だったし、そういう人達や環境に恵まれていた。僕は運が良かった。

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ラトゥールやラフィット、オーパスワンに初めて出会ったのも、この時期。20代そこそこの若造が、その後も、5大シャトーレベルのワインに何度か巡り会えたのは、やはり普通の人よりも酒に囲まれていたから。しかも僕が所属していたのはウイスキーの専門店で、もっともっとたくさんあるウイスキーの話は、また別の機会にゆっくりしたいなと。『もしも僕のことばがウイスキーだったなら』っていう、どこかで見た事がある気がするタイトルで(微妙に違うからオリジナル!と、言い張る)。

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なかなか話が脱線したけど、とにかく僕が言いたいのは、20代そこそこの時に、がむしゃらに経験した引き出しの一つ一つを、長い構想を経て(6年前のワイン会が、その数年後、中目黒で開催されたブルジョワ会に発展し、そして満KAN全席に。今後さらに大きなムーブメントに昇華していきたい野望がアリ)たとえ規模が小さくても、何らかのカタチで表現していく事には意義があり、久しぶりにこの路線のテーマで遊ぶのが純粋に楽しいわけです。だから当初の構想では、

「とりあえず、シャンパーニュは『サロン』か『クリスタル』あたりで、赤の目玉は『マルゴー』あたり軽くいっとこか」

っていうテンションだったんですが、現実的にとてもとても予算に収まらず、これに比べちゃうと実際はちょっとショボイんじゃねって(これに比べちゃうとね!)、自分に突っ込んじゃうんだけど、買えないものは仕方がない。ワインってやっぱ高価だね。1本3万円って。ウイスキーのほうが割安だわ。


しかし、これだけ Liquor について長々と語りましたが、最近ノンアルコールな日々。禁酒中です。自宅では、もっぱら凍頂烏龍茶を嗜んでます。

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「今のわたしに必要なのは渇き!
 ワインへの渇望!」


ギリギリまで追い込んで、当日は楽しみたいと思います。

遊びは真剣、仕事は遊び心、のモットーで。