『北へ向かう列車にとって盛岡は山越えの基地。御堂から中山峠の分水嶺にかけての長い急勾配に備えて盛岡区のC60 15が前部補機につく。“はくつる”はここから青森までC60・C61の重連運転となり、ヘッドサインを補機の巨大なテンダのかげにかくして走る。
急坂にいどむ重連の機関車が加減弁満開で猛然と加速する北上盆地の夜ふけ。紅の噴煙が夜空にさかまいて、凄絶な鉄路の饗宴が幻のように展開する。
盛岡区114仕業、機関助士が2名乗組んで一気に尻内まで通す、きびしい乗務行路だ。
「消しゴムで消すことは許されない---それが我々の仕事なんですよ」機関車生活20年という東北なまりの機関士の人なつこい眼が防塵メガネの奥で一瞬光った。23.8‰の長い急坂を含むコースの表定速度は58.9km/h。運転状態良好残り少ないいのちをドラフトにひめて、蒸気重連特急は北の荒野を力走する。
4時、“はくつる”はついに青森との県境を超えた。4時26分尻内着。辺境の町は暁暗のなかにまだ眠っていた。』
文・竹島紀元「北の流れ星」 鉄道ファン1965年1月号(通巻43号)より。
かつては、
20系「はくつる」が、C61+C60のハドソン重連で激しいドラフトを辺りに響かせ超えていた急坂。
D51三重連が長大貨物を牽いて、喘ぎ喘ぎ登っていた急坂。
『御堂~奥中山間の吉谷地カーブから奥中山へ向かう路』
今は、
EF81牽引の「カシオペア」12両が、釣り掛けモータの音を辺りに響かせ軽快に駆け上ってきます。
1、EF8180 9011レ「カシオペア紀行」 2016.10.23

2、EF8180は、モーター音を辺りに響かせ、12両の26系を牽き、吉谷地カーブを一気に駆け上ってきました。

3、晩秋の装いの山々とススキに迎えられ、通り過ぎて行きました。

EF8180の行程は間もなく終わります。
「カシオペア紀行」の終着は「青森」
EF8180はヘッドマークをE26系側に隠して、日本海沿いに上野へ戻って行きました。