アダマ・トラオレは覚醒したんじゃない、輝きを取り戻しただけなんだ | Forever We Are Wolves                

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ウォルバーハンプトン・ワンダラーズFCのサポーターが送る、近況報告ブログ。もちろん、報告するのはウルブズの話ですよ。

アダマ・トラオレ、ここにあり。

 

 

10月、エティハド・スタジアムで2ゴールを決めてマンチェスター・シティを沈めたアダマ・トラオレが、一気に人々の注目を浴びるようになりました。今ではウルブズの顔とまで言われるほど、印象的な活躍を見せ続けています。

 

では、このアダマ・トラオレはなぜ注目されたのか?その筋肉とドリブル突破で話題をさらったのは、何も今に始まったことではありません。

 

聞いたことがありませんか?「アダマ・トラオレはドリブルは一級品だがその後のフィニッシュ精度に欠ける」と。

 

プレミアリーグ72試合でたった1ゴールだった彼が、直近13試合では4ゴール。さらに4アシストも記録しており、もはや「精度が~」という評価をする人はいないでしょう。印象的なゴールもいくつか決めていますしね。

 

しかし待ってください。

 

彼は本当にウルブズで”成長”したのでしょうか?

要するに、彼のフィニッシュ精度は、ウルブズに来てから改善されたものなのか?ということです。

 

こちらをご覧下さい。

 

これはあくまで片鱗でしかないのですが、このシーズン、アダマ・トラオレはチャンピオンシップで5ゴール10アシストという立派な成績を残しています。この試合でも、一瞬で2名の選手にイエローカードを与えましたよね。(本当に厄介でした。対戦していて。)

 

その前年のプレミアリーグで彼の名を轟かせたドリブルがチャンピオンシップでも通用するのは当然として、トニー・ピューリスの熱血指導の下、ゴールに直結する成績をしっかり残しています。

 

そう、ウルブズが当時のクラブレコードとなる1800万ポンドを投じたのは、それだけの価値があると判断したからなのです。

 

ヌーノとのマンツーマン指導

ウルブズに加入したのはプレミアリーグ開幕の直前。プレシーズンのケガで出遅れていたアダマ・トラオレは、順調な仕上がりを見せていたウルブズの面々に出場機会を奪われる形で、あまり出番がありませんでした。

 

これに関しては、開幕直前の加入ということもあって、チームになれ、戦い方を理解するのに時間がかかることなど、理由は皆さんも理解できるものでしょう。

 

そんな中でも、しっかりウルブズの昇格後初勝利を決める得点を掻っ攫っていくあたり、選手として持っているものを感じました。

 

さて、そのシーズン、チームは7位と大健闘を見せ、ヨーロッパリーグの出場権も勝ち取るなど前途洋洋な初年度を送ったわけですが、アダマ・トラオレ本人にしてみれば、目立った活躍ができたのは数試合程度と、物足りない成績となりました。

 

というのも、チームが3-5-2へと基本フォーメーションを変え、ツートップにヒメネスとジョタがそびえていたために、アダマ・トラオレだけでなく、カバレイロやコスタといった他のウィンガー達にも苦しいシーズンとなったのです。

 

アダマ・トラオレ自身は、ウィングバックを務めたり、トップの一角としてプレーしたりと、試行錯誤していましたが、目新しい成果は出せず。

 

そこでプレシーズン。7月末からヨーロッパリーグ予選が始まるタイトなスケジュールの中で、RWBのレギュラーだったドーハティが負傷離脱し、彼のポジションがぽっかり空いてしまいました。そこで白羽の矢が立ったのが、そう、アダマ・トラオレでした。

 

夏を通してヌーノから守備を叩き込まれ、予選では実践投入されたRWBアダマ・トラオレ。さすがに安定感では本職のアイルランド代表に劣りましたが、それでも穴を感じさせない及第点以上のプレーはできていました。

 

何より、彼の持ち味であるドリブルが、RWBという低めかつ幅をとれるポジションにおいて輝きました。

 

そんな彼の集大成として、マンチェスター・シティ戦があった。ということです。この試合でアダマ・トラオレは対面したラヒーム・スターリングを封殺。

 

目には目を、速さには速さを、おまけにフィジカルも。と、体格で彼を圧倒。さらにそれだけでは飽き足らず、後半途中からはトップとしてプレーし。シティの息を止める2ゴールをマークしました。

 

そんなアダマ・トラオレですが、ドーハティの復調とともに、ポジションを一つ上げウィンガーとしてプレーをすることに。好調のウィンガーを本来のポジションで使わないのはもったいないとヌーノに言わせた形です。やったね。

 

それでも、今までの3-4-3とは違い、アダマ・トラオレがワイドで幅を取り、その間隙を縫ってドーハティがボックス内に侵入していくという新たな形が生み出されました。

 

それにより、ドーハティの攻撃性能がより引き立つ形に。なんでも、アダマ・トラオレが3人4人とディフェンダーを引き付けるので、その周囲のドーハティやヒメネスが自由なスペースを得ることができるのです。

 

止まらないアダマ・トラオレは、トッテナム戦やモリニューでのマンシティ戦で見せたように飛び道具まで取得。「間合いを詰めれば躱される、突破を警戒して距離を取ると今度はシュートを打たれる」と、さらにディフェンダーにとっては悪夢のような存在に。

 

私としても、1試合に一度良いチャンスを作る、から、試合中継続的に好機を生み出す、に格上げされました。(笑)

 

これからの課題:センス

そんなアダマ・トラオレですが、まだまだ完璧な選手ではありません。当然です。
 
ドリブル突破よし、守備貢献よし、周囲との連携よし、フィニッシュワークよし。となれば、残すはチャンスを見極める目を養うことが大事なのではないでしょうか。
 
もしかすると、ヌーノから「サイドを離れるな」という指示が飛んでいる可能性がありますが、左からのクロスにアダマ・トラオレが飛び込んでいたらなぁ・・・とか、直前のプレーで倒されたアダマ・トラオレが早く起き上がって攻撃に参加していればなぁ・・・とか、攻撃の柱になったアダマ・トラオレには当然もっと攻撃に絡んでほしいということがあります。
 
そういった切り替えの早さと状況判断力を養うことで、彼はさらに上のレベルへと上っていけると感じています。

 

 

まとめ

アダマ・トラオレはもともとドリブルが驚異的な選手だった。
 
前所属のミドルズブラでは、それに加えてフィニッシュの精度も向上していた。
 
ウルブズ加入初年度は、チーム事情もあり本来の実力を発揮できず。
 
新シーズンになって、プレーの幅が広がり、それが本領発揮のきっかけになった。
 
さらなる進化には、頭の切り替えと機転の良さがカギになるのではないか。
 
 
 
ここまで読んでいただいてありがとうございました。ずいぶん久しぶりの投稿でしたが、プレミアリーグ昇格以前の記事もアーカイブにございます。読んでみると、当時のチーム事情がよくわかると思います。ジョンソン・クラーク—ハリスにやきもきしていたころから4.5年しかたっていないなんて、にわかには信じられませんね。(笑)