ナースのデザイナーにみる就活の独自化
鹿児島の大学生が就活に悩みから高速バスを横転させる事件を起こしました。
信じられないような事件ですし、許されることではありませんが、今の若者の心の問題を映しています。
元気のある日本を知らずに育った若者が、さらに悪化している不況の時代に就職活動をしなければならないのは、とても気の毒だと思います。
しかし、こんな時だからこそ若者は自分の独自化をしなければならないと思います。
ぼくたちが就職した20年以上前は、平均的であるほうがよかったのですが、今はオンリーワンの価値が必要です。
以前、プロダクトデザイナーとして有名な村田智明さんの講演でとても面白い話を聞きました。
村田さんは大学で学生たちにデザインを教えていると、出した課題に対してまったく同じアイデアが出ることが、よくあったそうです。
これって独自性・創造性の高さを求められるデザイナーとしては致命的な欠点ですよね。
しかし、同じような家庭環境で育ち、同じような勉強をして同じ大学に入り、大学に入ったら同じようなところに住んで、同じような音楽を聴いたり、映画を観たり、そうなるとなかなか独自性は育まれませんよね。
そこで村田さん自身は自分の事務所でデザイナーを採用する際は、美大・芸大を出てデザインのテクニックを学んだかどうかよりも、できるだけユニークで多様な人材に入ってもらうようにしているそうです。
一番最近入ったアシスタントは現役のナースだそうです。
彼女はこれまでに救急の医療現場で何十人もの心肺停止した人々を蘇生してきました。
しかし、電気ショックを与える機器の心臓にあたる部分のデザインがもっとよかったら、より多くの人を蘇生できたのではないかと思ったそうです。
そうなると、いてもたってもいられなくなりデザインのことを学びたくなったそうです。
面接でこの話しを聞いて村田さんは彼女を即採用したそうです。
「より多くの命を救うためにデザイナーになろうと考えた彼女と、大学で普通に学んできた学生たちとどちらがいいデザイナーになるかは、明らかですよね」
村田さんはそう言っていましたが、まさにその通りだと思います。
学生時代にナースの彼女のような経験をすることは難しいにしろ、企業が採用したくなるような独自化できることはあるはずです。
今の大学生はぼくたち40代後半のバブル世代よりはよほど優秀だし、勉強もしているので、後は「自分でなければならない」価値をひと工夫して作って、がんばってもらいたいなと思います。
