よいビジネス(9) イザ!カエルキャラバン
防災等の公益事業の企画・プロデュースをしているNPO、プラスアーツの理事長の永田さんは、とても気が合う同志だが、彼の企画したイザ!カエルキャラバンというプログラムはとてもユニークだ。
そもそものきっかけは2005年に神戸市から新しい防災プログラムの企画を依頼されたことに端を発する。
地域の防災訓練をリサーチした結果、消防署が地域でやっている防災訓練は、参加メンバーはほとんどお年寄りで毎回同じ顔ぶれの地域の防災係りしか出席していないことがわかった。
そこで子どもを中心としたファミリーが参加したくなるようにすることが課題と考えた。
そのためにはお母さんが来たくなるような内容にしなければならない。
そこで美術家・藤浩志が全国で展開するおもちゃの物々交換プログラム「かえっこバザール」のシステムと、ゲーム感覚で楽しみながら消火・救出・救護などの知恵や技を学べる「防災訓練プログラム」を組み合わせたプログラム組み合わせた。
このしくみを簡単に説明すると。。。
子ども達にいらなくなったおもちゃを持って集まってもらう。
まず最初に「かえっこバンク」(受付)でおもちゃをポイントに替えてもらう。
会場では水消火器による的あてや、バケツリレー競争や、毛布を担架にしたかけっこ、防災をテーマにしたカードゲームやボードゲームなど、子どもたちが楽しく学べる防災プログラムが多数用意されていて、それを体験してもポイントがもらえる。
集まるおもちゃは玉石混交というかマックの景品のような「石」がほとんどで、それらは出しても1~2ポイント、もらうのも1~2ポイントなのだが、中にはみんながほしがりそうな「玉」がわずかにある。
それはイベント終了前に行なわれるオークションにとっておく。
子供たちはオークション用のおもちゃがほしいので最後まで残っていようとするし、その間にできるだけ防災プログラムをたくさん回ってポイントをゲットしようとする。
と、とてもうまく考えられている。
今では神戸市だけでなく、全国各地の行政からも実施依頼が多く、インドネシアなど海外でも行なわれているが、どこに行っても人気で、多くの参加者を集めている。
その秘訣は、防災訓練プログラムはあまり強調しないで、いらなくなったおもちゃの物々交換バザールの面を強調することだそうだ。
「いらなくなったおもちゃを減らしたい」というお母さんの欲求はとても強いので、親子で参加する行動を駆り立てるし、何よりも本当にためになるかどうかわからない防災訓練よりも確実に効能が見えるので、伝わりやすいのだ。
ビジネスではなく公益プログラムの例だが、ビジネスのヒントになる点はたくさんあると思う。

