よいビジネス(3) セイコー 信州 時の匠工房 | てるさんのしあわせイノベーション

よいビジネス(3) セイコー 信州 時の匠工房

長野県塩尻市のセイコーエプソンの「信州 時の匠工房」を以前見学させてもらったことがある。

時計市場というのは、世界で年間約6000億円。
そのうち、スイス製が4000億円、日本製が1200億円、中国製が400億円を占めている。

これは販売数量よりも単価によるもので、スイス製の平均単価が26万円、日本製が1万6千円だそうだ。

SEIKOの「信州 時の匠工房」は、数十万円から1500万円までの高級時計限定の工場なので、日本の平均単価の十倍から1千倍の価値のものを作っていることになる。

それだけに、まるで無菌室のように静かで清潔な工場である。

そこにムーブメントや文字盤作り、ケース研磨、石留め、ろう付けなど、7つの工程に高度な技術をもつ匠が合計100人ほどいる。

匠になるためには早くても5年は修行しなければならず、技術が途切れないよう、各工程ごとの人員のレベルがパネル上で一覧化され、計画的に人を育て続けている。

各工程の部屋の前と、それぞれの作業場所にはネームプレートが掲げられ、単なるラインの一員ではなく、その名の通り最高の技術をもった匠としてリスペクトされている。

実際、工程によっては顕微鏡を見ながら作業をするほど繊細である。

匠の方たちの技術向上の意欲も高く、かつてスイスで開催されていた世界大会では、このセイコー塩尻の方たちが賞を独占するため、スイスが国をあげて参加をボイコットし、世界大会がその後なくなったそうである。

分業は人間の役割を縮小し、幼児化しがちな中、ここではそれぞれが協働の一員として、価値の高いものを生み出すために役割を拡大し続けている姿に感動した。

人の可能性を高めて人間発達を促す雇用の面、世代生生的に技術を継承して、日本の平均単価の何十倍も価値の高いモノを作る経済面、いろんな意味で今日本が見失いがちなとてもよいビジネスのあり方である。


SEIKO 信州 時の匠工房のサイトは↓
http://www.seiko-watch.co.jp/shinshu/



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