おなじみDirichlet積分∫[0~∞] sinx/x dxを計算するが、複素解析手法でもなく広義積分でもなく、リーマンルベーグの補題を利用して計算できることを知った。

リーマンルベーグの定理
f(x)を[a,b]上の連続関数とすると、次の等式が成立。

lim[α→∞] ∫[a~b] f(x)・sinαx dx = 0

また、lim[α→∞] ∫[a~b] f(x)・cosαx dx = 0も同様に成立する。
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これを使ってDirichlet積分の計算が出来そうなのはなんとなくわかるだろう。
sinxと関数1/xの積が被積分関数なのだから。
これの意味は周期2π/αの余弦関数と関数の積についてα→∞のときに周期が極めて激しくなり上部分と下部分の差が0に収束するということである。

証明のアウトラインを示す。

{F69D4DE1-56B5-45DB-9AD7-24EFAE86D77A}


(1) εδ論法を使う
任意のε>0に対し、あるα0が存在して
α>α0⇒ | ∫[a~b] f(x)・sinαx dx | < ε
を示せばよい

(2)f(x)は閉区間上の連続関数なのでWeierstrassの最大値最小値定理よりf(x)は有界で最大値最小値をもつから
あるM>0が存在し
| f(x) | ≦ M (x∈[a,b])

(3) f(x)はリーマン積分可能であるため、リーマン積分可能であることの定義(区分求積法による定義)に従い、
| ∫[a~b] f(x)・sinαx dx |を上リーマン和と下リーマン和などで評価し、< ε を示す。
(この評価が難しい)



このリーマンルベーグの補題を用いエキゾチックな関数を使ってDirichlet積分を計算できる!

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参考文献
リーマンルベーグの補題を使ってDirichlet積分の計算
Weierstrassの最大値最小値定理の証明