手が小さい人(私)が弾くリスト
私は手が小さいのです
学生の頃、
ショパンのバラード2番を弾く私の手を見た友人が
「蟹みたい」
と言ったのは忘れません
オクターブは届きます
9度でいっぱいです
親指から小指まで一直線に出来ます
右手を顔の前から通して一周させてから右の耳をつまむ事も出来ます
(キモいで大丈夫です)
親指を手首に付けることが出来ます
(見た人はキャーと言います)
という感じで
それなりに苦労はしてきました
長さがないので
伸縮性で勝負しています⬅︎
有名な音大・芸大の先生で
「手が小さい人は落とす」という教授の方もいらっしゃいます
理由は、
「これからの苦労を考えると可哀想だから」
寂しいですが
かなりごもっともなお言葉です
手が小さい事で
私の中で完全に諦めていたリスト
しかし私はいま、
それを弾いています
そしてそのリストが勉強した
ウィーン国立音楽大学で
リストを披露するのである!!
物理的にどうしたって届かないところは
本当に仕方がないのです
美しくバラして弾いています
(直されても直せません)
左手オクターブのトレモロだって
本当は泣きたい程、しんどいんです
でもここは頑張っています
だから少しでもと思い
ペットボトルをダンベルにして
両手に一本ずつ持って
上げ下ろしをしながら
踏み台昇降をしています
(30分いけるようになりました)
誰にも見せられない姿です
本当は
私みたいなのが、
リストのバラードを弾くなんて
笑い事なんじゃないのかな、とか
無理し過ぎな感じが見え見えで
滑稽になっちゃうかな、とか
この手の小ささをカバーできるほどの
実力がある訳でもなく
未熟過ぎて恥ずかしい思いをするのではないかなとか、マイナスイメージが付きまとっているのが本音です
やっぱ曲を変えようかな
でも今からじゃやっぱりキツイなぁ
少し迷い始めたある日、
岐阜のジャコバン音楽祭(昨日)で
このバラード2番が演奏されるとの情報を得たので、休みを取って見に行きました
どんな人が弾くのかと思いきや
ヨーロッパの大柄な男性
やっぱり、そうだよね
オクターブなんか1と2の指で楽勝くらいの
大柄過ぎる男性でした(⬆︎言い過ぎ)
ただその前に
日本人女性、中桐望さんの
英雄ポロネーズを聞く機会に恵まれました
中桐さんは、ポーランドに留学され、
2015年のショパンコンクールに出られている方です
英雄ポロネーズも
中間部分のオクターブの伴奏が
かなりキツイ部分ですが
本当に素晴らしい演奏で
不覚にも
英雄ポロネーズのようなド定番曲で
涙が出てしまいました
私は中桐さんを最前列で見ていたのですが
パッと見、手が大きいようには見えませんでした
でもそんなはずないよね、
あんな素晴らしい英雄ポロネーズが弾けるのだから、小さい訳ない
次の公演との間にトイレに立つと
通路で中桐さんとすれ違いました
私は少し迷ったのですが勇気を出して、
(英雄ポロネーズの感動を伝えてから)
「手を見せて貰えませんか!」
と手の大きさを比べさせて貰いました
全然いいですよーっと
ニコニコ笑顔で対応して下さった中桐さんでしたが
なんと、なんとなんと
私と同じか、やや小さいくらいだったのです
信じられない…そうなんだ…
その後も色々とお話しさせて頂き
いくつかアドバイスも下さいました
もう私、
手が小さいから弾きにくいとか
手が小さいから音が出にくいとか
絶対言わない
そして
ウィーンでどんなに落ちこぼれても
どんなに先生に見下されても呆れられても
周りのレベルの高さに圧倒されて
自分なんかもうダメだって思っても、
絶対諦めずに
最後まで頑張ると
ここに誓う!!
さて、それでは
申し込み用紙を郵送します
いいですね?
心残りはドイツ語だけ!
結局、100まで覚えた数字も全部忘れた!!



