皆様、いつもありがとうございます。
今回は、明確に病気関連、、といえるネタではありませんので
スルーしていただいて構いません^-^。本のご紹介です。
「iPS細胞でノーベル賞!!」と、せっかく盛り上がっていたのに、
水を差すような、ニセ?論文問題が出てきました…。
さらに、別の事件では、パソコンの遠隔操作で犯行声明・・・。
うーん、みんな注目されたいのかなあ、などと思いながら
ちょうど読んでいた本が、上記タイトル。
タイトル通り、キョーレツに面白かったです。
著者は、臨床心理士の矢幡洋氏。
この方、割とテレビでコメントされてますね。
事例が豊富で、分析もしかり、なので
割とよく読んでます。
この本では、
自分が注目を浴びるために
(普通の人ならやらないような、
あるいは明らかにしないような話題を提供し)
次々と素っ頓狂なことをしてしまう
「演技性人格障害」(ヒストリオニクス)
=芝居がかったような態度(アメリカ精神医学会DSMより)
と
自己評価が実際の自分よりも高すぎる
「自己愛性人格障害」=同DSM(ナルシスト)
について、事例を挙げて、
どうしてそのようなタイプが出てきたのかを紹介しています。
刺激好きの「演技性~」の特徴は、
目新しいものにすぐ飛びついたり(行動力があるように一見見える)、
若作りをしていたり(すぐに無理があるとわかる)、
すぐ親しそうにしたり(自分を見てほしいため)、など。
普通の人ならまずやらないとか、
あるいは、毎回、人には言わないようなことを口に出したり、表現したりしてしまうので、
こちら側からみると、
つい目を奪われてしまうところがあります。
それは、変わってるから、驚くように見てしまうのですが
どうやらこの人たちは、それを「自分は忘れられていない」
「自分が特別(な才能があって)に注目されている」
と思ってしまうようです。
しかし、矢幡氏は、
その実「内的なものがからっぽ」「本当の自分がない」と一刀両断。
育った環境にも原因があるとする別の学者の説を紹介しています
(彼自身はすべてを
環境説にしてしまうことには全面的には賛成していない)。
そういえば、「能ある鷹は爪を隠す」といいますね。
「友達から美人(イケメン)と言われている」など(普通は言わないはず)の、遠回しであれ、
自己PRの激しい人って、
確かにあまり人からほめられてないのかもしれないなあ。
人の話に割り込んで、毎回「私の場合は~」「私はこうやって」って
自分に話をもってきたり、
いつも教えたがりなのもこの傾向にあるのかもしれません。
今回のニセ?論文疑惑の人もカメラが向けられて、なんだかうれしそうだったし。
一方、「ナルシスト」については、
文字通り、何をおいても自分がすぐれている、という認識から
発想や行動が始まっていると定義。
劣悪なものと自分を対比させるテクニックにたけている、と分析しています。
実際に、この二つの特徴をもつ日本人の著名人をそれぞれ挙げていて
(名前を挙げられないのが残念ですが)なるほどな~と思わせるところ。
あまり近くにいてもらいたくない方々ですが、
ネット社会、テレビ社会では、むしろ「「ナルシスト」よりも「演技性~」が
注目されやすい時代になった、と時代背景を読んでいます。
ただ、「いつまで」、この突拍子もない人たちを「楽しんでいられるのか」、と
結んでいます。
ちょうどタイムリーな2つの事件?が起きて、
「どうしてこんな人がいるんだろう」、と以前から思っていたことが
少し解決できたと同時に
「内面と目立ち」について改めて考えられる、よい1冊でした。