この本は、
・怒りや悲しみなどの「情動ストレス」が体に及ぼす影響、
・脳が免疫機能に及ぼす影響
・ガン性格
・癒しのテクニック
などについて書いています。
これによると
怒りや悲しみなどのストレスが強くなると、
副腎がアドレナリンやノルアドレナリン、グルココルチコイドという
ホルモン物質をだし、
さらに放出が長期間に及ぶと、
高血圧、高血糖、潰瘍などを招く、とあります。
そして、これらのホルモンは
免疫系の抑制作用をもたらすそうです。
まさに、「風が吹けばおけ屋が儲かる」的な図式。
体は、こころ(脳を含めて)全部つながっているのですねー。
自分がストレスのさ中にいるときは、その悪循環に陥っていることは
わかりません。
また、興味深いのは、次のような話。
バラの花の花粉がアレルギー反応を起こす病気(バラ風邪というらしい)
を持つ人が、さまざまな治療でよくなりつつあったけれども、
ある日、バラを見せた途端、呼吸困難が起きてしまった、というもの。
しかし、そのバラは、造花だった、というオチ・・・。
その後、この人は、バラの花のなかに顔をうずめても、
まったく発作がおきなくなった、ということでした。
(幻肢痛の話に似た感じ、、)。
また、病気と性格についても述べています。
リウマチ患者の多くに、発症時に心理・社会的ストレスが多くあること。
そして、患者に特徴的な性格として
自己犠牲的、幻覚(→「厳格」の間違い、ご指摘ありがとうございます!)、
几帳面で痛みや障害の悪化を訴える悩みを
表に出さず、怒りを発散するのが苦手という調査があるそうです。
免疫と脳機能(考え方)の関連は、十分あるみたい。
最後に、医師がどのように患者に向かうべきか、医師が患者のこころをどう支えるか、などが
書かれています。
この方に罹ってみたい、と思わせる、そんな1冊でした。