皆様、いつもありがとうございます。


今回は本のご紹介です。

タイトルは、江戸時代のベストセラー健康本。

教科書にもその名前と著書名が掲載されている

儒学者 貝原益軒先生の書籍です。


これまで、現代の医師が執筆した本を読んでいましたが、

この本から引用されている部分が結構、ありました。


江戸時代のものなのに、よほどよいことが書いてあるに違いない。

いつか読もう、と思っていました。


原文で読む気力はないので、

翻訳文です。

伊藤友信訳、講談社学術文庫。昭和57年発行。


知らなかったのですが

貝原先生は

この本を83歳のときに書かれたそうです(びっくり!!ー江戸時代だよ~この寿命!)。


食事や飲酒、、睡眠や入浴など、生活の注意事項は当たり前ながら、

医師や薬の選び方、鍼や灸、飲酒や食事、考え方にいたるまでこまごまと

記されています。

健康本というより、哲学書の印象を受けました(儒学者だから、当時の哲学か~)。


印象に残ったのは、以下のような点。

無病のときの心がけ、として

・病気のないときに予防すれば病気にならない

・病気になってから薬を飲んでも容易に治らない、小欲を慎まないと大病になる


・・・とあって、病になる前は、好き放題、不摂生な生活をしていた身としては耳の痛い話です。


また、病気がよくなるときには、次のようなことに注意しないといけないとのこと。


・少しよくなったら、気分がよくなるので、養生をなまける

・ここで飲食や色欲など気ままにすると病気は帰って重くなる

・快方に向かったときにつつしみ、用心しないと、あとでいかに後悔しても無益


うーん。心当たりが多すぎる。

少しよくなったときこそ、大事みたい(そりゃ、そうだ)。


さらに、以下のように、うならせる点もあります。


・薬を飲まないで自然に治る病は多い。むやみに薬をつかい、薬に当てられて

病気をひどくすることも少なくない

・(医師に向けて)自分より先に治療した医師が誤っていても前医をそしってはならない。

自分の医術を誇示するのは小人の悪い癖。根性が賤しい

・医師の世襲はいけない

・医術は有益なので医学生でなくても少しは学んでおくとよい

・医師には上医、中医、下医がいて、上医を選びたい


貝原先生が長生きされた理由がよーくよくわかりました~!


時代が流れても、生きていくための基本となる健康を保つ方法は、それほど変わらない。

そして、それを意識して保つのは、

医師でもなく、薬でもなく自分自身。

当たり前のことを、改めて実感した1冊でした。