今回は趣味の本の紹介ですので、スルーしていただいてかまいません。
師走だよー。先生、走ってるぅ。
とはいっても、慢性疼痛患者には何の変化もありません。
日々、痛みをどう減らすかを考え、実践する毎日です。
11月はやる気のない日々を送っておりました。
すべてに気力がないので、読書に逃げてました(速読で、活字も読まず、ひたすらストーリーを追うカンジ)。
疼痛のお話しではございませんが、
11月に読んだもののなかで、オススメをランダムにご紹介(順不同)。
<小説>
〇『悼む人』天堂荒太
直木賞作品。以前から気になってました、この方。
最初、なかなか内容にはいれなかったのですが、70ページほど読むと
ようやくすらすらと読めました。
全国の無名な死者を尋ねて歩く若者が主人公。
また最後の70ページ手前くらいまではよかったのですが、そこから先が恋愛小説みたいになってて
ちょっとがっかり。ただ、作者の死というものへの考え、スタンスが理解できる気がしました。
どんな人にも、愛された家族、友人がいる、ということを認識させてくれます。
〇『静人日記』天堂荒太
上記『悼む人』の別バージョン。主人公の日記スタイルで、旅して回る様子を記した作品。
『悼む人』を最初に読んでないと、理解しにくい。ただ、『悼む人』と同じ人物が出てくることは
少ないです。「本人になりきって書いた」と、最初に天堂氏が書いています。
〇『無痛』久坂部 羊
現役医師が書いた、医師が主人公の作品。シリーズもののようです。
体を見るだけで、どこにどのような病気が潜んでいるかを当てられる能力を持った医師が、
カレの周囲で起きる殺人を解決するもの。
SFミステリー作品、という位置づけと思われます。
結構えぐいシーンもあるのですが、あまり気にならず、さらさらと読みやすかったです。
現役医師が外見から得られる情報で、細かく病気の描写をしているので、
実は医師というのは、外見から病気を見分ける力をもつ人も
いるんじゃないか、と思わせるところが面白いです。
ミステリー好きな方にはオススメです。
〇『阿弥陀堂だより』南木桂士
随分前の芥川賞作家です(受賞作品は『ダイヤモンドダスト』。こちらも現役の内科医。
元気だった頃はよく読んでいたのですが、いつも生死をテーマにした内容のため、
病気になってからはあえて避けてきました。
これは、映画になったことがある作品のようです。
今回は、うつ病になった医師である妻とともに売れない作家である主人公が
長野へ転地して、そこでであった人とのふれあいを描いた作品。
人の温かさがじんわり染みて、薄い1冊ですが、ずっと泣きっぱなしでした。
最後が優しい感じで終わっていたのがよかったです。
<新書>
〇『愛着障害』岡田尊司
副題に「子ども時代を引きずる人々」とあります。
大人になっても子どもの頃の辛い思い出が
どっかにあって、うまくニンゲン関係を結べない人がいる、と提言。
歴史上の著名人で愛着障害のある人を多く紹介し(男性がほとんどなのが残念)、
その育てられ方を分析。
自分に愛着障害があるかどうかのテストもあります。
分類パターンは4つしかなくのですが
遊び気分でやってみると面白かったです。
なお、著者は精神科医。医療少年院に勤務中。
〇『語感トレーニング』中村明
副題に「日本語のセンスを磨く55題」とあります。
言葉のビミョウなニュアンスを解説した本。
あとがきに「文章には人柄がにじみでる。(中略)態度や性格、教養や価値観(中略)、生き方までが
否応なく伝わってしまう」とあり、こうやって書くことが怖くなります^^;。
たとえば、
「水たまりをよける」「水たまりを避ける」という表現の違いをクイズ形式で出題し
それにまつわるこまかい違いを解説しています。
日本語、奥が深いです。