いつもブログにアクセスいただいて、ありがとうございます。
今回は、全く痛みとも病気とも関係ない趣味の本の紹介です。
なので、スルーしていただいてかまいません(ペコリ)。
上記タイトルは、私の好きな作家の1人
川上未映子さんの最新小説のタイトルです。
講談社発行『群像9月号』に収録されています。
私が新しい作家に手を伸ばすのは、
芥川賞受賞者が多いです。
川上さん以外にも、古くは田辺聖子さんにはじまり、
南木佳士さん、多和田葉子さん、小川洋子さんなど。
最近では、西村賢太さんが面白いと思っています。
芥川賞受賞者は、
これから作品が増えていきます。なので、その方の成長を
みられる(おこがましくも、読者が育てているような気になる)のが
魅力な点でもあると感じています。
さて、表題。
夏に一度、読んだのですが、秋になってもう一度
思い返したように読んでみました。
内容的に、
秋から冬にぴったりな小説かと思います
(読書の秋でもあるし、ね)。
発売時は、「川上未映子の初の恋愛小説!」と
いうコピーが巷に出てました。が、
都市で1人暮らしをする地味な30代独身女性の
人生の一部を具現化した、というほうがよいような気がします。
仕事も地味だし、生活も地味。
それでも結構、こういった何もないまったりとした暮らしをしている都市の女性、
割といる気がします。
確かに、コピーにあるように
20歳以上年齢の離れた男性と出会うものの、
結局、片思いで終わってしまう恋が出てきます。
しかし、
恋愛には、あまり重点を置いていない内容になっているのが、ひきつけられるところです。
このほか、主人公とは対極的に仕事も男性も、と、派手に生活する同じ30代独身女性、
また、主人公の高校の同級生で今は専業主婦になった女性、と
3人(後者の1人はほんの少しだけれど)が描かれており、
女性の生き方を対比しているのが、考えさせらる点でもありました。
いつもの彼女の破天荒なトーンはなりをひそめ、
関西弁も、息継ぎの長い文章もなくなってしまっています。
けれども、やはり、川上さんらしく、
ベースがなぜか、「悲しみ」なのであります。
具体的にどこがどう悲しいのかと指摘するのは、むしろ合わない感じで、
そんな苦しい場面もないのですが、泣ける個所がところどころあります。
このわかりにくい悲しみを明確にとらえるのが彼女らしく、うまい!と思っています。
どこかに、彼女の実体験があるような、そんな印象を受けた小説でした。