病気になる数年前から、

過敏性腸症候群(IBS)と思われる症状に悩まされていた私。

ちょっと食べ過ぎると(痛いくせによく食べる^^;)、

お手洗いへGO!ということになってしまい、

結構、困っています。


上記タイトルは、この症状を扱い、「脳と腸」との相関関係を説明した1冊です。


副題に「脳と腸の不思議な関係」とあり、読んでみるとこの二つがつながっている

ことを思い知らされます。

腸と脳科学を研究テーマとする医師・福土審氏の著書。NHKブックス発行。


2007年の発行なので、少し情報が古いかもしれませんが、

5人に1人がわずらっている同疾患について、心と体の側面から

詳しく解説しています。

結構、難しい個所も多いのですが、時間をかけてじっくり読めば、なんとか理解できます。


おもしろいのは

生物の起源は「腸からはじまった」として、

受精卵が分割して、最初に完成するのが「口と腸」であり、その後に「脳」が

完成していることから

「腸の神経が脳に似ているわけではない。脳の神経が腸に似ている」という一言。


さらに、本文のエピローグでは

東京ー京都間は、どちらが上りで、どちらが下りか、と言い、

「江戸時代であれば、京都行きが上り、現代であれば東京行きが上り、として

時代によって上下が変わることを指摘。

腸などの抹消からの信号によって脳が動くというあり方について提言しています。


よく医師が「(病気の原因は)ストレスですね」とごまかして?しまうことについても、

そもそも、なぜストレスが、体に異変を起こすのかをじっくり説明しています。


IBSの治療方法として

・食生活、生活習慣の改善(ここで結構治ってしまう場合も多いみたい、期待したい^^)

・薬物

・絶食療法 

・心理療法 など

を提案しています。


また、医師として、患者に向き合う際の認識も示されています。

患者から「先生に治せますか」と尋ねられたときに

どう対応していくか、も書かれています。

良好な医師ー患者関係を作ることが、よい医療につながる、とあり、

納得、納得です。


内臓から受けた刺激による脳の反応についても

細かい実験データを用いて紹介しており、

読み終わったあと、

「実は自分の脳は腸に支配されてんじゃないか??!!」

「痛みは腸が原因なんじゃないか???!!!」などと

思わせられる1冊でした。