落車したお話(覚書) | 猫対犬

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落車の記録

8/16 14時過ぎ
暑さに慣れようと近場の林道に向けて走り出す。ここの林道は標高500mほど。自宅から400mUPする。木陰が多くて走りやすいに違いない。

前日は早朝から富士イチをしていて若干疲れてるが、暇なのでリカバリーand耐暑性向上のため、のんびりライド。

サイコンの気温は33.9℃
暑い。
浜松は40℃越えの日。

林道をのんびりと走り過ぎ、ダウンヒル区間に到達。こがなくても時速7〜80kmは出てしまうような傾斜。

下りは得意な方らしいので、まあまあ飛ばす。

ロードバイクに怪しげな雰囲気がする。ハンドルからじんわりと違和感あり。フォークの挙動が怪しい。

すぐさまスピードを落とし始める。急ブレーキはできない。コントロール不能になってなりかねないから。

と言いつつも急激にフロントフォークが震え始める。共振、バイブレーション、シミー現象などとも言うらしい。

下敷きをプルプルとたわませる如く、車体全体もプルプルし始める。
この初動を感じたのが時速6〜70kmほど。

今までも何度か経験したことがあり、以前乗っていたパナソニックのオーダーチタンロードは、年に数回起きた。
それが嫌で今のkualisチタンをオーダーした。

1年ほど前にkualisチタンで、富士スカイラインから御殿場方面にダウンヒルした際。
曲がりくねった道では問題なかったが、米軍近くの長い直線に近い道でバイブレーションしたことがある。その時は何とか停車する事ができた。

今までも何とか停車していた。

今回は平均斜度9%の峠道。
(保険屋の依頼で、後ほど撮りに行った事故現場)


速度が乗る。
バイブレーションをした状態では過去一番スピードが出ている。

バイブレーションした車体はコントロールを失い対向車線や走行車線をいったりきたり。

かなり交通量の少ない道ではあるが、対向車線がきたら正面衝突は免れない。胴体ブレーキすることにした。

この道、道路の両側は石垣とガードレールで構成されている。突っ込める場所が少ない。

石垣とガードレールの隙間に草むらが見えたので、そこに突撃する。車道の左側だ。
(事故現場)


判断した時には見えなかった草むらの中に、車止めの強固なポールと鎖が…一瞬見えた。

激しい衝撃と共に、車止めポールにぶつかって停車した。
時速は40km位まで落ちていたと思う。

身体は左側に倒れ胴体ブレーキとなって倒れた。
車止めで止まったのでそれほど吹っ飛ばなかった。
そのダメージをほぼ受け止めたのが右の膝…

この思考時間、数秒もない。
何が正解か分からないが、
それが正解であるとすぐに気付かされた。

落車後すぐさま、対向車線のドライバーが止まって「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。

身体の状態を確認する暇もないほど、落車後の直後である。
こんなに交通量の少ない峠道で、すぐである。1時間に車は10台も通らないような道だ。

事故直後の頭ははっきりしている。非常にクリアだ。意識も飛ばなかった。衝撃も覚えている。

のちに分かったが、ヘルメットは凹んでいた。
ヘルメット様々である。

事故直後はアドレナリンが出ているせいか、意外と動けるもので、急いで立ち上がりドライバーに「大丈夫ですよ」と言う。

あぁ、今この草むらに突っ込まなかったら、この対向車とぶつかっていたんだな。と思う。

走り出そうとするとドライバーに「チェーン外れてますよ」と言われる。

痛んだ体に鞭打ち、すぐにチェーンを直す。

その際に落車したロードのハンドルが曲がっていることに気づいた。曲がっていると言っても、ステムがズレただけで、折れてはいない。
幸いブレーキは動くし、ホイールも擦れずに回っている。

garmin520がついていたアウトフロントマウントは無くなっていた。garmin 520 は脱落防止ヒモでぶら下がっていた。
ホッとした。サイコンはお高いですからね。

自宅まで惰性で帰れる標高差なので、ハンドルが曲がったままダラダラ坂を下る。
左手首の甲から血が出ていた。左脛や両膝からも出血している。
左手の白いグローブが血に染まる。
左手首周辺も打ち付けたようだ。でも動く。

坂を下り切ったところで、背中のポケットに何も入っていないことに気づいた。補給食のゼリーもない。

スマホが入ったライドポーチは体と一緒に吹っ飛んだようだ。

お金もない。
お金はなくてもいいがスマホはマズイ。

家のものに連絡して、また取りに来る…

・・・スマホがない。

下りきった峠道を戻ることにした。

ここで変速が死んでいることに気づく。
左のSTIレバーがインナーに落ちない。

「フロントアウター固定で峠道か〜」
絶望しつつ道を戻った。

ダンシングしつつ、、といいたいが右脚が痛くてダンシングできない。

ほぼ石垣とガードレールの峠道。
わずかな草むらを見つけるたびに、落車した場所ではないかと確認する。

ここ違う。

ここじゃない。

やっとそれらしき場所まで、フロントアウター固定で到着。

すぐにライドポーチはみつかった。
エネルギーゼリーも落としていたので、それを食べて一服した。

アウトフロントマウントとスピードケイデンスセンサー探して回収した。
この時、スピードケイデンスセンサーが外れていることに気づいた。

自宅まで10kmの道のりを惰性で帰りアパートの2階の部屋まで、痛みをこらえ、力を出し切って、バイクを担いで帰宅した。

サングラスを取ると蜘蛛の巣がまとわりついていた。

すぐにウェアを脱いでシャワーを浴びた。
白系のウェアに血がつかないように注意して脱いだ。
ウェアのキズはその後に確認した。尻と左大腿に穴が空いていた。これもお高いので何とか修理したい。

汗だく、猛暑日なので水シャワーを浴びる。
傷口に水が染みる。

無事なのは右腕と胴体だけと言う事が分かった。少なくとも水が染みる擦過傷のみであるが。。

おっと、頭もヘルメットのおかげで無傷。いつもキツめにあごひもを締めている。
目の上から出血があった。かすり傷である。

日曜日なので、病院には行かず。
明日になれば、右足も動くだろうと期待した。

その期待は裏切られ、右脚はどんどん腫れて曲がらなくなった。

気分が優れない。
体温を測ると37.5℃。
コロナを疑われてしまう…

骨折すると発熱するという。骨絡みで起きる発熱だと思われる。でも骨折は動けないほど痛いと言うし、もっと高熱が出る。骨折はなくとも骨にヒビが入っている可能性を疑う。

いつでも在宅勤務できるように会社のPCを持ち帰っているため、職場にしばらく出社できないであろうことのメールを送る。



翌日整形外科へ。

レントゲンの結果、骨に異常は見られなかった。
右膝は曲がらない。水か血液が溜まっていると先生は言う。腫れた膝の水を抜くことになった。

案の定、水ではなく血液。50mlほどとれた。
採れた血液を見せてもらうと、あまりに大量すぎて声が漏れた。

「血液の表面がキラキラしているでしょう。これは骨髄の血液はこう言うのが見えるんです」とのこと。キラキラは骨髄の脂肪らしい。

と言うことは、骨髄からの出血があるようだ。
恐らくレントゲンには写っていないが骨にヒビがある可能性が高いとのこと。

膝の可動もチェックした。
右膝の側副靭帯が伸びている可能性があり。そうなると治療期間が延びる。左も同程度らしいので元々靭帯が緩いのかもしれない。

翌週のMRIを予約して、精密検査することとなった。靭帯チェックである。レントゲンで見えなかったヒビも見つかるかもしれない。


今週は在宅で仕事を引き継ぎつつ有給も取り、療養休暇に移行する予定。

事故後2日でこの記事を書いたが、時間差で全身鞭打ちがやってきた。

意外と人間は死なないな〜
と、シャカリキを思い出した。


自転車のダメージは、
STIレバー(左)死亡
garminのアウトフロントマウント死亡
カーボンハンドルに若干の凹み位あり。
ステムの正面がまあまあ削れていた。
ステムで力を受けて、滑ってカーボンハンドルにダメージな感じ。
流石にバーテープは少し削れたか。
事故の割に意外と軽傷。
STIレバーはデュラなのが痛い。