きょうは、ヤマハCS-10 の話
これは、1970年代に生産されたもで、正真正銘ののアナログシンセサイザー(電圧波形合成式楽器)なのでMIDIがまだ生まれる前の代物です(MIDIは1981年に発表された規格なのです)。
これの使い方やノウハウは多分すでに誰かがかきこんでいるはずなので、自分の思った事を書くことにします。
これを自分が手に入れたのは今から6〜7年前だったかな、記憶が曖昧。
行きつけの楽器屋さんで「旦那、いいコいまっせ、どないでっか?」的な感じで持ち出されて、最初MIDIがないからなぁって思ったんだけど、いじって遊んでる内に気に入ってしまって、お持ち帰りしたヤツです。
簡単に、シンセベースとかリードとか、ノイジーなパルク(發弦楽器)、レゾネーションとかシンセでお馴染みな音色が、マニュピュレーションできてしまうので、なんでMIDIが無いんだーって思ったくらいです。
本物である証拠のシリアルプレート。
製造番号6522 モデルCS-10 YAMAHA 社製。
コルグだったけかな?。
アナログシンセサイザーMS-10そっくりのPCコントローラを出してたのって…。
ウチのはこれは似非シンセサイザーではありませんよ。
ヤマハがトリビュート・モデル「reface」シリーズでこのCS-10はモデリング化されたようですが、所詮バーチャル音源。
中の回路が似非なので別物と言ってもいいでしょうねぇ。
模造は模造なのです。
非MIDIなのですが、折角所有しているので使用しない手はないのですがマニュピュレータな自分としては、サンプリングして使うしか方法がないのが残念な所です。これだと似非といい勝負になってしまうんだけど…。
ほんとにこれでは、宝の持ち腐れで勿体無いのでCV ゲートのコントロール部をMIDI化できないのか調べたところ、コルグのモノポリーはMIDI化できるらしいのだけど、こういうのはたいてい海外でしかやってない(T_T)。
そこで、希望的観測ではあるのですが、「スティディワークス」さんの所なら改造してもらえそうな気がするので、一通りシンセサイザーのリペアが終わったら相談して見ようと思っています。
真髄のアナログシンセサイザーマニアの方からすると、邪道だ、外道だ、勿体無いと言われそうですが…(^_^;)。
自分はガチのMIDIマニアなので、70年代だろうがそれ以前の貴重なシンセサイザーであろうがMIDI化できるものはしちゃいたい考えの持ち主です。
改造部はCVとゲートとかの制御系をデジタルにしてMIDIで音長と音程などを制御するだけで、モジュレーションデータとかVCO VCF VCAパラメータ類のデジタル制御の追加とかしていじると、音に影響が出るはずなのでそこはいじらないって事で改造をしたい。
この部分をMIDI化したいのですけどね…できるかな?。
左から、出力、音程制御、トリガー、外部入力ってなってるのかな?
実のところ、MIDI以前のシンセサイザーにはほとんど知識がないのです…(T_T)。
配線を使ったパッチングシンセをやってみたいけど、つなぎ間違えて「もわ〜っ」て煙だしそうで怖いし(≧∇≦)/
なぜにMIDIにこだわるかは、なんといっても多重録音をしなくても済むし、80〜90年代のデジタルシンセサイザーの音色がとっても好きだからです。
機能はこんなかんじです↓↓
エクスターナルorノイズ発生機(同時使用は不可)とLFO部。
シンセサイザーの信号の流れは、多少違うものの、【発振器】→【フィルター+エンベロープ】→【アンプ+エンベロープ】の構成で、これにうねりを付けるLFO(低周波発振器)やノイズ(ピンクまたはホワイト)が割り込みする構造になっています。
このCS-10には外部音声入力(エクスターナル)が備わっていて、それを発振器のかわりとして使うことが出来ます。このエクスターナルは特別な信号ではなく、手持ちの別の楽器などのオーディオ信号を受け入れてくれるので例えば最新鋭モデルのガチガチ模造音源をアナログフィルターで加工仕直すことも出来ます。
入力があるのか?なら、ボコーダーとして使えるのでは?と考えてはいけません。
ボコーダーはコムフィルターで構成されていて、構造がちがうのでボコーダーにはなりません。
その下のLFO(低周波発振器)はフィルターなどにうねり(周期変化を)起こす装置です。
ハイスピードにするとサイレンとか、UFOで(ぴぽぴぽぴぽ…)お馴染みのあれを作るのにいいし、うる星のラムちゃん(古っ!)の飛行音もここで行います。
低周波選択はこの機種は2つ。サイン波とノコギリ状波。
ロースピードに設定すると、「ボンボン〜ビョンビョン〜ビュンビュン」みたいにゆっくりグルーヴした、うねりのある今流行りのEDM(エレクトロニクス・ダンス・ミュージック)系のベース音などが作れます。
VCO(低周波変調機能付き電圧制御発振器)
これがシンセサイザーの音源部。音の元になる部分。

この発振器は機種によって「ねいろ」が違います。
そういう事柄があって、機種により音色がちがうので、これがモーグの音だ!だの。プロフィットの音だ!だの。コルグだのローランドだになるわけです。
これは、音程のチューニングと鍵盤数が3オクターブしかないので音程を切り替えるためのスイッチノブ。
フィートレンジを切り替える事によって、中心に来る12音を上げ下げ出来るようになり、例えばベースならば、16〜32フィートをチョイスし、ハープシコードみたいな高い音色なら4〜2フィートをってな感じに設定します。
当然、88鍵のフルサイズキーボードならこれは付いていません。
90年代前後のデジタルシンセサイザーは、この発振器の部分にPCM(符号化変調)録音した波形を出力するものが組み込まれていて、さらに複雑な音色が作れる仕組みになっていて、このあたりから生音に近いサウンドが作れるようになりました。
因みに、FM音源はこれとは違う方法で合成するので音の作り方自体がまるで違います。
ヤマハならVシリーズやDXシリーズなど。コルグは銘機(迷機)のDS-8がFM音源です。
自分が最初に使ったFM音源機がヤマハDX-100とコルグのDS-8なのですが、DXがやたらと難しくて馴染むのに時間がかかりました。最初に上級機のDX7に手を出していたら挫折していたと思います。
VCF(電圧制御濾過装置)
これは、音色加工部
基本中の基本が装備されています。
シンセ大好きな人は多分レゾナンスが好き。でもこれって似非シンセが流行りだしてから再ブレークした装置。
80〜90年代のPCM音源が流行っていた頃のデジタルシンセには付いていない機種も沢山あり、付いていてもカットオフが甘くてカットオフが切りきれない物が沢山ありました。
前のブログページで書いたカワイのK4のフィルターは強力でアナログ機並の切れ方をします。
VCA(電圧制御増幅器)ADSR
フィルタで加工した音をここでエンベロープをつけてキャラクターを作ります。
例えば、ピアノみたいにアタックが早い音色ならアタックタイムをゼロにしてディケイとサスティーンである程度維持をしてリリースで切り込み、フルートならアタックをすこしモタつかせてディケイとサスティーンで引っ張って、リリースを絞るというような感じで作るように加工する装置です。
CS−10は、ミニモーグあたりをパチったようなモデルなのでしょうけど、これはこれで夢中になれるおもちゃみたいで弄っていると時間が経っているのを忘れてしまう装置です。
さらにプログラムが記憶できないので、気に入った音色は各ツマミの数値をメモって置く必要もあるので、厄介なのですがそれがまたループを起こしていつまでもいじっている始末になります。
BGM:
/exit