復帰にあたり音声トラックも当時のハードウエアを使おうと思います。
マルチトラック録音は、リナックスのローズガーデンに録音機能がついている。オーディーコンバータも持ち合わせているのに、わざわざこれを持ち出す必要もないと思うのだけれど、ローズガーデンはあくまでMIDIシーケンサーとしか使わないマイルールを決めたので、これを使います。
今回はコイツ。ローランドVS-880です。
それも、ジャンク2品でニコイチの話です。
前置きとして…
これは、ローランドが1986年に発売したデジタルマルチレコーダーというものです。
記憶媒体はハードドライブ。
サンプルレートも32〜48キロヘルツ。18ビットのAD/DAコンバータを搭載したマシン。
これが出る前は、フォステクスのR-8と言う8トラック/38センチという磁気テープレコーダで、ボーカルを繰り返しトラックダウンしていたんですが、何回も繰り返しているとどうしても、高音部が甘くなってくるので、困ったもんだな、と悩んでいる時にこれが発売されて飛びついたとう訳です。
そもそも、マスターレコーディングテープがDATなのに、アナログのテープデッキが混じっているのが当時は、気に入らなかったので、発売前予約で乗り換えたのです。
同時期に、アレシスがVHSビデオを使ったマルチデジタルレコーダーを発売してたとおもったけど、テープってのがビミョ〜、シーケンスアクセスってテープレコーダーと変わらないじゃんて思って手を出さなかった。
その時に現れたのがローランドのVS。
ハードドライブはランダムアクセスなので頭出しが一発で可能。生まれた時にはすでにCDやPCの世代の人には理解不能な事かもしれませんが、昔はこれは革新的だったのです。
最初はバージョン1で、直ぐにバージョン2(EX)がリリースされた記憶が…(古いことで記憶が曖昧なんだけど…)。
その、アップデートもちょっと大変で「え〜外付けのドライブを購入しなくちゃならないの?」てな感じの自動的にZIPドライブを購入させられる悪徳商法的アップデートだったのだけど、丁度その当時はアップル(パフォーマ)を持っていたので、スカジー接続で外部ディスクとしても利用できたので損した感じはしなかったのが幸い。
16トラックのデジタルマルチとうたっているのだけど、音質重視のマスタリングモード(今で言うハイレゾ)にすると、4トラックしか使えなくなるので、追加でもう1台購入。
これに搭載されているエフェクターがBOSSのproシリーズSE-70と同等品なようなものなので、独立したエフェクターとしても使えました。
最初に買ったやつの、二台目は別の部屋でDJコントローラーの録音編集用として現役使用中です。
今回は、ここからが今日のお話。
だいぶ前から放ったらかしにしておいた、中古のコイツらを修理して使えるようにします。
あれは、いつだったかな。2002〜4年頃だったかな。
バンド活動停止後、当時(今でも)車で聴くBGM。メドレー(ノンストップミュージック)を作るマシンとして使い続けていたのだけれど、1台目がハードドライブが壊れた時に偶然、ワンダーレックスで中古が出てたから、なけなしのお金を叩いて3万円で買い直したんです。
それが、なんと完璧なポンコツだった(+_+)。
最初から、変なくせがあるなぁとは思っていたんだけど、保証期間の3ヶ月を過ぎたあたりから急に調子が悪くなって終いには動かなくなってしまいました〜(T_T)。
この頃は、やたらとマッキントッシュの維持にも躍起になっていた時期で、パソコンの修理ショップに入り浸っている内に、電気工作のスキルが身についた時期でもあったし、泣き寝入りは悔しいので分解して中味を見てみることに。
いざ開けてみてビックリ。
基盤を乗せるプレートが無理やり切断されていて、こんな状態。
危ないからペンチで内側に折り曲げてあるけど、開けた時はギザギザの状態。
逆に、器用なことするよなぁ…すごいよなぁ…笑
ホコリとタバコのヤニもかなり付いてた。
表面パネルはキレイだったんだけど…
前のユーザーはを何がしたかったんだろうと思い、ヤニ取りを兼ねて、ネジを外して一枚一枚剥がして最下層へ行ってみると、ジュースか何か液体をこぼした様な後があって、これで動かなくなる前に処分したに違いないと…。
無理にこじ開けられたパネル。
左上のぶった切られて一部基盤がむき出し。
これが、ちゃんとしたパネル。
構造をよく見て、ネジを順番に外せば、意外に簡単にバラせるんだけど…。
これが最下層のコントロールパネル。
(表面のフェーダーやスイッチ、ツマミのやつ)
前のユーザーはこれを治したかったらしいですが、途中で挫折したみたいです。
ジュースとかこぼした位なら、乾く前に即効でバラして基盤クリーナーで掃除すれば治るのに…
で、最初のクセのような状態(スイッチの入が甘い)の原因これだったのだけど、その後すぐ悪化して肝心の電源が入らない状態にも陥ってしまつた3万円支払ったマシーン。
3万円の糞ゴミマシーン。
テスターで調べた所、どうやら電源部が壊れた模様。
見る限り、電解コンデンサーの漏れやパンクが見られないし、このなかのどの部品が飛んでいるのかわからない…
これには困った。治し様がない。
メーカーは生産完了、パーツなし。
考え抜いたあげく、よく観察してみると配線の具合からしてこの電源は2系統の直流電流を供給しているっぽい。
コイツは2.5インチのハードドライブを搭載しているので、回路の制御から言って一系統は絶対に直流の5ボルト線。
もう一つがマザーボードやその他の基盤に供給している電線なはず。
そこで初代(現在DJブースに繋がっているやつ)を分解して電源部の電圧を測って見ることに。
やっぱり、一系は5ボルトでもう一つが厄介だ。
約19ボルトある。
「ん〜19ボルトって、パソコンのパーツでは代用できそうにないぞ、中途半端な電圧だな」。
さあどうする?
それから、数カ月悩みに悩んだ結果。
19ボルトとテスターでは出たけどアンペアまでは測定できないので、物は試しだっ!というので、その頃ジャンク屋に1000円位で転がっていたジャンクの外付けCDライターの中に入っている電源が、12ボルトの5ボルトを出せるので、そいつを無理やり移植してみる事に。
電気にはアンペアだのボルトだののムズい理屈があるんだけど、電気は物理的には「力」にはすぎないので、ボルトが低くてもアンペアがあればうごくんじゃね?みたいな安易な思考でやってみました。
失敗すれば「もわ〜」って煙がでてくるか、うんともすんとものはずなので、どっちにしろ結果がみられる。
980円のバッファローだったけかな。CDRドライブから引っ張り出しての電源移植した図。
リード線をハンダで引き回したのでかなり不細工な状態。
マスタリングモードで、長時間エディットしてるとハードドライブ部が熱をもってくるようなので、冷却装置も増設してみました。
ファンは5ボルト0コンマ数アンペア位なので、ドライブ側のケーブルから供給。9ボルト用なので回転数がおちるけど、対流がおきるので冷却されるはずで、オマケで取り付けてみました。
それでは、電源を入れて見ますの図。
、
おおっ♡、動きましたゾ(^O^)/。
…と、ここまでは2004年ごろの話。
苦労したのは忘れなせんねぇ。
話は現在に…
それで、それを今回使おうとしてたら魔改造電源部(上の記事がそう)は健在で立派に起動したんだけど、今度はジュースをこぼしたとおもわれる、制御パネルがザビついてスイッチ類が言う事聞かない(T_T)。
「なんだかなぁ…」
だいぶ前に、ハードオフでセルフテストで電源が入ったのでバージョン1のVS-880を2000円で、部品取り目的で買ってきたのがあるのでこれの一番下のパネルを移植すればうごくかなぁ?
やってみようー(^O^)/
魔改造してなければ、電源部だけ付け替えれば済むんだけど、マザボと電源が一体化しているので、そっくりお引っ越しです。
2,000円ジャンクのVSは、抵抗器の周りに漏れ出したグリスにホコリがまとわりついていたので、綿棒でクリーニング。
これはタバコのヤニが付いていないので、腐食もなさそう。
●精密機械の基盤はタバコが大敵●
混合化学物質であるタバコのヤニは、金属を腐食するのですよ(光学ドライブのレンズもヤニで塞がれて使い物にならくなるし…)。
ジャンクとか、中古でマシンを購入する時は傍からみると怪しい人になるのですけど、中の臭いをくんくんしてタバコ臭くないか確認してから購入したほうが良いです。
高額でラッピングされているものは、動作確認したいと言って店員にたのむと、嫌な顔をするけど開けてもらえます。
あけてもらえない場合は、バクチになるので心して行きましょう。
この一件以来、どんな些細なパーツでも、自分はガチでやるようになりました。
ハードドライブの動作確認。
秒数カウントをしてます。
アクセスランプも無事点灯。
パネルスイッチ類を全部確認したところ、問題はなくニコイチ修理終了しました。
実際の音出しは次回テスト。
音出しは、文字に出来ないし結果報告をいくつか後のブログの隅にでも書き込んでおきます。
BGM:PIPER SUMMER BREEZ
/exit