リウマチ

リウマチについて

関節リウマチは、免疫の異常〔自己免疫〕によって関節に炎症が起こり、腫れや痛みなどが生じる病気です。 炎症が続くと、関節の軟骨や骨の破壊が進み、関節の変形が起こって、動きが不自由になってしまいます。 膠原病のなかで、最も患者数が多い病気です。

 

かつて関節リウマチは、治らない病気と位置づけられ、痛みを減らすなど、ほどほどの効果を期待する治療や、リハビリの重視が一般に行われていました。 しかし、近年、関節リウマチの診断・治療は、膠原病のなかで最も大きく進歩しています。現在は、炎症を最小限に抑え込む治療が標準化され、炎症を治めて症状を抑えるほか、関節の破壊の進行を止めて、寛解を目指せるようになっています。

 

リウマチ体験談

母が関節リウマチで苦しんでいる姿を見ていましたから、ついに私もかと、検査結果をきいたときはずいぶん悲観したのを覚えています。 病院ではメトトレキサートという薬を処方され、痛みは抑えられていたのですが、レントゲンで骨がかなり溶けていることがわかりました。 これには本当にがっかりしてしまい、精神的にかなり苦しい状態になって ...
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適切な薬物治療を受けることによって、多くの患者さんが寛解に至っており、関節リウマチは[治ったような状態を縦持できる病気と考えられるようになってきています。 また、最近は、破壊された手の指の軟骨が再生した例もあるなど、病気の概念が変わりつつあります。
 

リウマチの主な治療方法

関節リウマチの治療に主に使われるのは、抗リウマチ薬です。抗リウマチ薬は炎症を起こす免疫の働きを抑える薬で、合成抗リウマチ薬と生物学的製剤に大別されます。 合成抗リウマチ薬には、メトトレキサート〔代表的な製品名、リウマトレックス、メトレート〕など従来型の抗リウマチ薬と、2013年から使われるようになった分子標的薬のトフアシチニブ(代表的な製品名、ゼルヤンツ)があります。生物学的製剤は、2003年から使われ始めた新しいタイプの薬です。
 

標準薬はメトトレキサート

関節リウマチの薬物治療では、メトトレキサートが第1選択薬として使われます。メトトレキサートは、以前から関節リウマチの治療薬として使われていましたが、[ほかの薬で効果が得られないときに使う]「最大使用量が十分ではなかった」などの使い方だったため、十分な効果が得られませんでした。

 

最近では治療の最初から使う方法が普及して、最大使用量も引きあげられたため、より高い効果が発揮されるようになりました。 メトトレキサートは、免疫細胞や炎症を起こしている滑殷細胞の中の葉酸の働きを抑えることで、絨胞の増殖を抑える薬です。直接炎症や痛みを抑える作用はありません。 薬の服用を始めると、早くて3~4週間で効果が現れます。この薬は、1週間の間隔を空けて服用するので、のみ忘れないよう注意が必要です。 この薬は葉酸の働きを阻害するため、口内炎、吐き気、下痢、肝障害などが起こることがあります。 また、肝障害、腎障害、活動性の結核のある人、妊娠中や、その可能性がある女性には使えません。
 

生物学的製剤なども

メトトレキサートの効果が不十分な場合や使えない場合には、ほかの抗リウマチ薬を併用したり変更したりします。 生物学的製剤は、必ずメトトレキサートと併用するものと、単独で使えるものがあります。点滴か皮下注射(自己注射)の選択もできます。 感染症にかかりやすくなることには注意が必要ですが、生物学的製剤の副作用は比較的少ないといえます。

 

関節リウマチに使われる生物学的製剤は、いずれも健康保険が適用されます。それでも自己負担が年間30万円以上かかります(自己負担3割の場合)。しかし、高額療養費制度などを利用すれば、医療豐の一部の払い戻しを受けることができます。

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