それを抜きにしても従来の聖飢魔Ⅱでは見られなかったアプローチが随所に
ちりばめられた一曲だ。
ヘヴィなイントロリフで始まり、まさかの女性バックコーラスにつなぐ。
HR/HMにありそうで無い組み合わせを持ってきながら、びたっとハマった曲に
仕上げたのはエースの非凡なセンスの賜物と思う。
そしてこの時点ではまだ、楽曲への大々的なシンセサウンドの導入前だったので、
ギターがバックトラックのメインになっているが、リフ主体で歌メロを単調に
させない、邪魔しないアレンジがされているのもエースらしい。
※「赤いバラー」の後ろの独特な譜割りのリフ
また、ギターソロはこれ以前の既発音源には収められていないライトハンド奏法から
始まるが、2フレーズ目の同ポジションを2度突きしてたり、左手の運指も変則的な
動きをするひとひねりしたフレーズで畳み込み、前記事エルドラドでも触れたように、
ロングトーン→6連符など緩急つけたフレーズの組み合わせでローからハイの指板を
行ったり来たりするらしさが満載。
自身で「早弾きが苦手」と言いつつ、高速感、疾走感を出すフレージングに
長けていて表現手法が素晴らしく、要所要所に聞き所が詰まっている。
3rdアルバムのレコーディング期間内にデーモンの風邪で歌入れが間に合わず
採用が見送られ、一シングルのカップリング曲という扱いになったが、
あのアルバムに収録されていたらこの曲とアルバムの評価も違ったものに
なったんだろうなあと感じる、隠れた名曲ではないだろうか。
願わくば、お蔵になったAJ版のバージョンを聴いてみたいし、BLACKLIST発売時の
音とテクニックで再録して欲しかったという、かなわない過去への願望がわいてくる。
