幼齢犬猫をいつ親から引き離してよいか、については現行法では具体的な規定はありません。
現行法では以下のように規定されています。
【動物愛護法】
第二十一条第一項 動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。
【施行規則】
第八条 法第二十一条第一項の環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
一号 販売業者にあっては、離乳等を終えて、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになった動物(哺乳類に属する動物に限る。)を販売に供すること。
二号~七号 略
八号 前各号に掲げるもののほか、動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目を遵守すること。
【動物の管理の方法等の細目】
第5条一号ホ 幼齢な犬、ねこ等の社会化(その種特有の社会行動様式を身に付け、家庭動物、展示動物等として周囲の生活環境に適応した行動が採られるようになることをいう。以下同じ。)を必要とする動物については、その健全な育成及び社会化を推進するために、適切な期間、親、兄弟姉妹とともに飼養又は保管をすること。
このように現行法は具体的に数値で規制しておらず、「適切な期間」等の文言を使用しているため、現実には生後6週間程度で幼齢犬等が親から引き離され、ブリーダーから販売店に売られているような状況にあります。
犬が社会化を身に付けるためには、親と8週間は一緒に過ごす必要があるということが研究によって明らかになっています。
社会化を身に付けない犬には噛みくせ、吠えくせがある傾向があり、飼い主が飼育放棄して都道府県の愛護センター等に持ち込み、それが殺処分されるという結果になっています。
ですから殺処分をなくすためには、幼齢犬等が社会化を身に付ける8週間は親から引き離してはいけないという規制を設ける必要があるのです。
このような理由で、動物愛護団体は、今回の動愛法改正に「8週齢規制」を設けることを強く主張しているのです。
動物取扱業者の登録の取消までの流れは以下のとおり。
1 動物取扱業者が、基準遵守義務(動物愛護法21条1項、施行規則8条、管理方法細目)に違反した場合、自治体がその者に対し改善するよう行政指導
2 行政指導に従わない者に、改善するよう勧告(改善勧告、同法23条1項)
3 改善勧告に従わない者に、改善に係る措置をとるよう命令(措置命令、同法23条3項)
4 措置命令に従わない者に、6ヶ月以内の期間を定めて業務停止命令(同法19条1項5号)
5 業務停止命令に従わない者の登録取消(同法19条1項5号)
ただし、4の業務停止命令を経ずに、5の登録取消をすることも可能だ。
動物愛護管理法施行令及び施行規則が改正された。
施行日は平成24年6月1日。
改正点は以下のとおり。
1 犬・猫の夜間展示禁止(午後8時から翌朝8時まで)
2 動物取扱業の追加
①動物オークション市場
②老犬・老猫ホーム(所有権が事業者側に移転する場合が対象)