怠け者OLの英語の夢
製作 : 2011年

製作国 : アメリカ

時間 :1時間40分

監督 : ジョナサン・レヴィン

キャスト : ジョセフ・ゴードン・レヴィット セス・ローゲン アナ・ケンドリック

あらすじ  : 酒もタバコもやらない陽気な青年アダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は27歳でガンを患い、5年の生存率は50パーセントと宣告される。職場の同僚や恋人、家族が病気を気遣い神経質になっていく中、悪友カイル(セス・ローゲン)だけはいつも通りに接してくれていた。何とかガンを笑い飛ばそうとするアダムだったが、刻々と悪化していく病状に動揺を隠せなくなってしまう。(シネマトゥデイから)


早速土曜日に観に行ってきました!

どういえばいいんだろう、感想が言いにくい映画です。

感じるものは多い、何度も胸がつまったし、とっても良い映画なんだけど、

「すっごい面白かったよー!!」とも、「すごく感動して号泣できるよ!」って

感じじゃないんだよね。


{以下ネタバレ}


上のあらすじみたいにアダムは別に笑い飛ばそうとはしてないと感じた。

コメディとも少し違う。

たとえばいままでありがちのハートフルストーリーなら主人公は

仕事もうまくいかず、家族とうまくいってない人生に絶望した主人公が

病気を機に好転していくとか、友達といままで出来なかった大胆なことをやる!

とかが病気ものにありがちな話だと思うんだけどせいぜいやるのはナンパ程度。

アダムはいままでの生活を維持して平常心を保とうとしている。

リアルに、大げさではなくどちらかといえば淡々としている映画。


この映画での一番のスパイスは親友のカイル。

デリカシーの無い言葉を投げかけたり、病気をダシにナンパしたり・・・

とんでもなく思えるけどアダムを裏切った彼女に対して本気で怒ったり、

一生懸命ナンパのフォローしたり。


一番ぐっときたのは、アダムが手術前に恐怖を感じてナーバスになっているときに

カイルに八つ当たりしてしまった後、カイルの家についてふっとバスルームを見ると

癌患者と一緒に生きるという本が・・・。ページをめくると線を引いて付箋を貼って・・・

実はカイルは気にしてないように見せながらも親友のアダムを誰より考えてくれていた。

親友が癌になって動揺しないなんて無理なのにそれを察されることなく

明るくふるまっていたカイル、アダムにとってその存在こそアダムを死の恐怖から救って

くれていたんだよね。

そして手術前にただ「また」といってがっちりと抱擁するところで思わず涙が・・・


この映画が癌という思いテーマを扱いながらも暗くなりすぎないのは

カイルの随所随所にはいるユーモアのお陰だね!


あとうまいなーと思ったのが母親とぎくしゃくした関係だった時にセラピストに

「あなたの接し方を変えないと」って言われて初めて頼るんだけど、結局

かっとなってしまうところ。そりゃセラピストの一言ですぐ変われないよね。

そういうところに人の感情のリアルさが見えてこの映画が良くなってたと思う。

そして手術前に父親に言葉をかけて一瞬顔が”父”の顔に戻るところでぐっときて、

手術前に母親にしがみくようにして顔がくしゃっとする所に涙がでた。


セラピストととの恋愛や彼女の浮気ももちろん良いんだけど、

友情と家族愛と比べたら少しインパクトが薄かったかな。


ラストも何かが大きく変わったわけじゃないけど、

「それから?」って言葉に大きな意味があるって感じた。

それからがある、この先をまだ考えられる。

それが一番幸せだって。

愛を告げたこともなく、って後悔していたアダムが

これから愛を告げるっていう希望。

母親の愛を発見して、親友の真の友情に気付いて

そしてまだそれに感謝して伝えることが出来る、

その大切さに気付いたアダムのこれからを

思うと本当に良い映画だったと思うのです。


実はプライベートは相当クレイジーなのに普通の青年をやらせたら

ぴか一なJGLに拍手!!大好き!!