日曜日の事。土蜘蛛が棲みかとする、某市の神明社に再度、参拝しようという事になった。
神明社は、某

 

 

市の歴史によると、宅地開発で元あった場所から数十メートル移動されて、現在の場所に建っていた。
猛暑のせいか、立っているだけでも、ジワジワと汗が額を流れ落ちる中での参拝だった。
まず、付き添ってくれた家族が現在の神社を参拝した。
そこには、もう一つの鳥居と共に合祀された祠や、石灯籠が建っていた。家族は「その灯籠の真ん中の穴から、誰かが覗いて、祠をみまもっているよ。」と教えてくれた。霊視能力は私には無いが、言われた方向に祝詞を唱えてみた。
すると、本殿から、ラップ現象の音が聞こえた。
ご祭神は、天照大神と、鎌倉権五郎という人物だった。
お参りを終わらせ、鳥居が撤去されたと言われる場所に向かったが、あいにく、工事を示す黄色と黒の表示がされた衝立てとロックが張り巡らされており、中には入っていけなかった。
家族は「神社の元あった場所に行こう」と言い、坂の上を登り始めた。後ろからついていくと家族が「お前の青い龍神が、こっちだといわんばかりに先導してくれてるよ。」と教えてくれた。
そこは、閑静な住宅地ではあったが、何とも寂しい雰囲気がしていた。
「ここだ」と言い、その言われた方向を見ると、昭和の作りと思われる二階建ての一軒家が建っていた。
家族が「ここには沢山の霊がいる。あの家の車庫な車の席にも、二人老人がいる。」と言って教えてくれた。たしかに、元神社だけあって、しばらく立っていると、胸のあたりがすーっと冷たくなるのが感じられた。
「昔ここら辺は、慣習的に姥捨てが行われていたようだ。死期を悟り、餓死寸前に、この場所で神社の神様に最期の祈りをしていたようだ。」と厳かな気持ちでそう、私に伝えた。
車のフロントミラーにはには三個の防犯ビデオが取り付けられていた。
そこに住む住民が、霊の仕業とわからず、何者かが車にいたずらしていると思い、三個もビデオを取り付けたのだと、家族はそう私に教えてくれた。
一軒家の反対側には、新築の一軒家があるが、まだ買い手がつかず案内のポールが建ったままになっていた。
早速、死者の霊を真言によって御供養した。密教寺院で頂いた樒を新築の家の植木の間に潜ませた。死者は自分が死んだ事がわかっていたらしく、供養直後に昇天した。
土蜘蛛はどうやら元神社である一軒家に棲みついているらしいが、日中の為、姿を現さなかった。ここの住人が病魔にとりつかれない事を祈るだけである。
その一軒家の反対側にある、霊が邪魔して買い取りのつかない家も、これで時期買い取られる事になるだろう。
一連の供養を終わらせ、現在の神社に戻る事にした。
すると、途中に公園があった。
公園の入り口にあたる場所が、どうやら姥捨山の、老人を捨ててくる入り口だったようだ。
看板が建てられている場所にも、老婆の霊が一人佇んでいるよと家族に教えて貰った。目には見えないが、失礼の無いように「こんにちわ。」と挨拶してみた。すると家族が「こんにちわと挨拶しているよ」と教えてくれた。
「これから御供養するからね。」と言い、真言を唱えた。するとものの数秒で昇天してしまった。
現在の神社の裏手の細い道も、地面から老婆の霊の手が伸びていたが、家族は塩をまきながら歩き、私は真言を唱えながら神社に向かって歩いていった。
途中で行き止まりとなり、引き返した。しかし、この必死の供養でかなり浄化が進み、神社の雰囲気が明らかに変わっていた。

家族は「鳥居の撤去だけでなく、御神木も二つ撤去された、と誰かがいってい。この神社の上空に龍神様が
いるよ。喜んで出てきている。」と教えてくれた。
浄化は龍神様が最高に喜ぶ事のようだ。
元跡地にいる土蜘蛛は、その場所を守っているからという事らしく、そのまま様子をみる事となった。神社跡地に家を建てるのは最凶なのだという事を、今回の案件で知る事が出来た。