三菱UFJ銀行員によるインサイダー疑惑が発覚しました。
これは,既に行政処分を受けたファイアウオール規制違反と併せて考えた場合には,三菱UFJ側が組織ぐるみになって行った可能性もあり,今後の行方次第では,グループトップの責任問題に発展する可能性があります。
ただ,往々にして金融庁側の甘い処分もあり,経営トップの辞任問題になるのか否か,このあたりは注目した方が良いと思います。
そうでなくても銀行は,信用できる存在でなければならず,信用失墜は大きなダメージになりうる可能性もあり,コンプライアンス精神の尊重や内部統制などの実態解明が必要ではないかと思います。
次に,政治資金規正法違反の疑いで刑事告発されていた岸田首相ら42名もの国会議員らが不起訴になった旨の報道があります。
東京地検特捜部の得意分野である「不起訴処分」ですが,この流れは安倍政権下でも多く起きており,要するに「不起訴処分」が乱発されている印象があります。
では「起訴しない理由があるのか」と考えた場合には,実は特段ない。
これは「嫌疑不十分」や「起訴猶予」といった曖昧な表現に転嫁させ,これだけを持って不起訴の理由とする事は常識的に考えても異常です。
つまり,「起訴しない具体的理由」を検察官が説明しなければ,検察への不信が益々大きくなって行き,社会の秩序が乱れ,取り返しの付かない事態になり得る。
「不起訴」バーゲンセール化では困る訳であり,それでも起訴しないのであれば,起訴しない具体的理由は国民に向け説明する義務があるだろう。
なぜならば,国会議員は有権者(国民)が選んだ者であり,よって有権者(国民)への説明を怠ることは,検察官の怠慢行為であると厳しく指摘させて頂きます。
新たな検事総長が就任しました。
しかし,「女性初」との見出しが出る報道姿勢には疑問がある。
しかも,記者会見の中身も濃くはなく,薄っぺらい印象で,厳しい態度で捜査にあたる姿勢が見当たらない。
国会議員の裏金脱税行為も実に巧妙であり,高度化した知識に対応するのであれば,国会議員の政治資金問題も片っ端から立件できる筈であり,報道ベースだけで判断すれば,本当に検事総長なのかと大きな疑問がある。
そして,ご褒美人事だと批判されないように,国会議員の脱法や不正などには厳しい態度で臨むべきである。
そして,本題の群馬銀行がなした刑事事件であるが,この事件は群馬労働局と共謀し「虚偽の聴取書」を作成した虚偽有印公文書作成の刑事事件(事件番号:令和2年検第944号から951号,前橋地方検察庁)であり,事件発覚後5年以上が経過したが,いまだ真相解明に至っていない。
しかも,群馬銀行幹部からの説明も一切受けておらず,現状では大きなヤミと化しており,被疑者全員の特定にも至っていない。
前橋地検側の判断は「嫌疑不十分による不起訴処分」であるが,これだけでは起訴しない具体的理由が分からない。しかも,大規模な捜査を行った形跡も一切なく,現状で言えば「群馬銀行幹部が助かった」といった倫理無視の行為だけである。
つまり,自民党裏金脱税事件と,群馬銀行らがなした虚偽有印公文書作成事件は「被疑者が助かった」点において全く同じであり,この原因を作り上げたのも検察側である。しかも,起訴しない具体的理由さえも全く分からない。
「不起訴」がバーゲンセール化しないことを願うしかないが,検事総長の記者会見の内容では,今後も「不起訴」が検事の得意分野になり,バーゲンセールになることは必至かと思う。そして,由々しき事態であると批判するしかない。
群馬銀行がなした虚偽有印公文書作成事件は,下記のリンク先で確認できます。
これで「不起訴」だから,あり得ない事態であると検察側を厳しく批判します。