「不易流行」とは変わらないものの中に新しいものを取り入れていく考え方です。
元々は俳諧の極意として使われた言葉ですが、教育の場面でも使われています。
私も、この言葉は、中学校の先生から聞きました。
教育学部では、盛んに使われていたそうです。
もう少し詳しく、不易と流行を説明します。
蕉風俳諧の理念の一。
新しみを求めて変化していく流行性が実は俳諧の不易の本質であり、不易と流行とは根元において結合すべきであるとするもの。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
結構、深いですね。
今の時代、変化が著しいと言われています。
それもそのはず、今はボーダーレスの時代。グローバル化とも言います。
江戸時代のように鎖国をしていない昨今は、ネット情報を介して全世界で色々な情報が入り乱れています。
人・物・金の動きもそう。
今までは「日本ルール」が通用していたあらゆる事柄が、通用しなくなってしまったのです。
教育の世界だけでなく、経済活動も例外ではありません。
ライバルは国内企業だけでなく、全世界の企業になります。
その競争で勝ち抜かない限り、企業は衰退します。
残念なことに、バブル崩壊後のグローバル社会の到来によって、日本企業は世界との競争にさらされ、衰退の一途をたどってしまいました。
その原因は、何だったのでしょうか?
企業が旧態依然の経営スタイルを変えることができなかったから、という説もあります。
でも実際は、違うのかもしれません。
その理由が、「不易と流行」。
日本は、新しみを求めて変化していく流行性に囚われてしまい、本質部分まで変えてしまったからではないでしょうか?
日本独自の経営スタイルに、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」があります。三種の神器とも呼ばれます。
このスタイルは、高度経済成長期においては機能していましたが、グローバルな時代に抗うことができず、変革を余儀なくされました。
しかしこれらの「三種の神器」を、全否定してよかったのでしょうか?
物事の本質を見誤り、日本古来の伝統全てを否定してしまい、欧米スタイルを猿真似した結果が、今の日本ではないかと思っています。