有吉京子さんの「SWAN~モスクワ編」
ここにも、なんと
書いてある~~~(ノ゜O゜)ノ
主人公の真澄とレオンは
みにくいあひるの子・アグリーダックを
モスクワでやっと
踊ることになったのだけど。
早い話、
ある、のに、ないふりして
気づかないでいた真澄が
やっと、
自分の内側と向き合う勇気を持ち
自分の本当の気持ちを知って、
レオンと本物のパートナーの絆を
結べたんだけどね。
真澄の解釈のアグリーダックは
実に人間くさいの。
生まれて自分の姿が
不完全で醜い姿だとわかった時
他とは違う自分の存在に対し
胸がつぶれるような無価値感を覚えて
私は他より劣っている!
何かが欠けているから
こんなに醜いんだ…!
自分に欠けたものを探して
自ら、巣を離れていくあひるの子。
あひるの子の内面を具現化した闇の世界では
自分の内側で感じる懐かしい声に
眼を覚まして!
これは私が探していたものじゃない
すると、今度は
眩しくて華やかで
賑やかな笑いに包まれた光の世界へ
けれど、その世界もまた
自分の心に再び虚無感が芽生えてしまう。
なぜ、こんな気持ちに?
やっと、
自分の欠けたものを
見つけたと思ったのに…
やっと、無価値な自分から
解放されたと思ったのに…
明と暗の両極バランスをとろうと
冷静さをとりもどすあひるの子。
それは、常に
影のように現れる存在と
共に繰り広げられていく
私はもう
自分の弱い心に翻弄されたりしない!
自分になにも求めたりしない!
嫌いな自分を感じることで
心を痛めたりしない!
けれど、それまでの
優しい心さえ忘れてしまう冷淡さは
彼女の閉ざされた心を象徴する氷の世界へ
やがて始まる周りとの
激しいストラグル
なぜ、強い自分でいようとすると
周りとぶつかるの?
彼女の内側から答えがでる。
周りも自分だから!
全てが自分の一部なのに
嫌って切り捨ててきたから。
でも、そうしなければ
前に進めなかった。
それなら、私は一体
どうすればいいの!?
私に欠けているものは
一体なんなの!?
せめぎあう自分(表面意識)と
もうひとりの自分(潜在意識)
これまで感じたこともないような
激しい怒りが
あひるの子の全身を貫き
氷の世界は粉々に砕け散っていく。
自分との戦いに疲れはて
あひるの子がたどりついたのは
生まれ故郷。
私は長い間、
夢を見ていた気がする
夢を見ていた気がする
陰と陽の夢
最も辛い無感覚の夢
結局、どこへ行っても同じ。
私はただ
自分に欠けたものを探していただけなのに、
それは、見つかった?
いいえ、もっともっと
空虚な気持ちになってしまった。
その孤独は
欠けたものを外に求めることで
本当の自分から離れてしまったから。
いつも、
心の中で声が聞こえるあなたは
一体誰なの?
私は 永い間
あなたが忘れていたあなたの中のあなた
全てを知っている本当のあなた自身。
ああ、そうだ!
自分に欠けたものなんて
最初から何もなかったんだ!
ただ、それを思い出すために
外の世界を経験してきただけ。
全てを自分の内に持っている
これが、本当の私
ただ、
自分のあるがままを受け入れるだけでよかった。
求める必要も拒む必要もない。
それこそが
本当の自分自身と繋がること
真澄のアグリーダックは
最初から
内からの声、自分自身に
導かれている。
外には一切求めない。
常に内へ内へと
自分に向かう彼女の強さが
どの世界でも
自ら気づきを起こしている。
つまり、
究極のパートナーとは
実は自分自身。
自己とのパートナーシップが
成功すれば
外のどんな相手とも
最高のパートナーシップが組める。
それこそが
人生の真の目的。
読んでるうちに
自分探しの旅みたいなもんだなぁ、と。
それは、私もやってきたから。
苦しさを感じたなら、
それは、自分が自分に
嘘をついてごまかしていることに
まず気づくこと、なのかなぁとも思うから。