数ヶ月前に、このブログでも取り上げたことがありました。
猫を家の外に出したら、罰金だって。
ドイツのヴァルドルフ(Walldorf)という、マンハイム近郊の都市での話。
減少傾向にあるカンムリヒバリの保護のため、猫の外出禁止令が出されました。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載っている、カンムリヒバリ。
それを猫が獲ってしまうのが、好ましくないって。
この外出禁止令が、予定より2週間早く終了したとの報道がありました。
当初は8月末までの、予定だったものが。
今週の月曜日から、解除されたのでした。
外出禁止令中に、もし猫が家の外に出たら。
飼い主は市の担当部署に即連絡を入れて、猫を探しにいくように指示を受けたとのこと。
これを怠った飼い主には、500ユーロ(約6.8万円)の罰金。
カンムリヒバリを飼い猫が殺傷した場合には、最高で5万ユーロ(680万円!)の罰金だったそうです。
このヴァルドルフ市で確認されていたカンムリヒバリのつがいは、わずか3番だったとのこと。
外出禁止令の効果は、現時点では不明ながら。
今年から3年間、この外出禁止令は春から夏にかけて続けられるそうです。
猫が本当に減少の原因なのかどうか、その因果関係もはっきりとはしてないみたい。
記事の中で、ドイツらしいなと思ったのは。
猫に外出を禁ずるのは動物福祉に反するとの、批判が起こったというのです。
野鳥の保護も大事だけど、猫に対する福祉はどうなるのかと。
ここでいう動物福祉とは要するに、動物(猫)本来の行動に近づけてストレスのない生活をさせましょうという考え方です。
この考え方に立つと、猫を室内に留めておくのは動物福祉に反している。
それを虐待とまでいう人がいるかどうかは、わからないけど…
こういう考え方は、日本とは随分違いますよね。
日本だと、猫を家から出さないのは猫のためって発想になりますよね。
その方が猫にとって安全だっていう。
このドイツの考え方だと、猫を家から出さないのは野鳥のためなわけです。
猫を家から出すのは、猫のためになります。
国際比較では、猫の自由に関して日本と近いのは米国です。
欧州の方が、猫を自由に出入りさせる人が多い。
日本の都市部は先進国の中でも最も室内飼いの意識が高いって調査も、どこかで見たような。
猫の真意を確認する方法が、存在しない以上。
何が猫にとって良いのかという考え方の溝は、埋まりようがなさそうです。