母の日の花という印象しかなかったカーネーション。
カーネーションの花の香りも思い浮かばない、なんだか薄紙で作った造花みたいと興味もなかったのに
最近、ピンクのカーネーションが好きになった。
細く長い茎の先に薄いピンク色のクシャクシャッとしたホンワリと丸い形の花がついている。
それをまとめて水に挿せば、女性的なビクトリアンな雰囲気になるような気がするし、一本だけ小瓶に挿すとそれはそれで
静かで優しい存在感がある。
そんなのを、家のあちこちに飾っておくと、ふと目に入った時に、不意に優しい風にふかれたようないい気分になる。
イギリスに暮らしたことをきっかけに花を家に飾るのが好きになった。
それは、豪華な花束を買ってきて飾るわけではなくて、その季節の安い花をスーパーで買ってきたり
近所の野原や家の庭から摘んできたものを、普段の生活で目につくところに飾って、花がゆっくりと開いたり、萎れてゆく色の変化を眺めたりするのが面白かったからだ。
だから、見せるという意味での花の生け方は上手ではないかもしれない。
こないだまでは、白いデイジーを家のあちこちに飾っていた。2週間くらい、清潔な真っ白い花びらをいっぱいに広げて元気に長持ちした。
白いデイジーのある部屋はいつもよりも太陽の光が沢山入るような明るい雰囲氣になった。
薔薇や百合などの良い香りの、存在感のある花ももちろん好きだけれど、もうちょっと素朴というか、野の花に近い花を家の中に飾ることが多い。
今は安いカーネーションだけど、2週間後には母の日だから高くなるのだろうから
そうしたら、私は他の安い花束を見つけて買って帰ることにしよう。
今度はどんな花が好きになるのかな。
うちの猫のジジは、私が花を飾るとなぜかとてもその場所が気に入ってよく花瓶の横に座っている。
本当はテーブルの上には猫はのせたくないのだけれど、放っておく。
なんで、ジジは花の隣にいるのが好きなんだろう。
時々花の匂いを嗅いでいることもある。
ちょっと、私が飾った花を楽しんでくれる存在が他にもいることが嬉しい。