よく晴れて、まるで初夏のような土曜日。

April showers brings May flowers.とはよく言ったもので、溢れるようにいろんな花が咲きこぼれているイギリス。近所の道端にコーンフラワーが咲いていたので一輪だけ摘んできた。

 

紫に近い濃い青色の花。茎が細くて長く、空気に溶けてしまいそうな透明感がある。

 

天気が良いので、庭仕事に精を出すことにした。前庭の植え込みの剪定、雑草抜きなど。手袋をして帽子をかぶって庭道具を駆使して取り組んだ。コンポストの大きなゴミ箱が満杯になった。

 

庭仕事中、夫によるとしばらく見かけなかったというリスのチャックが塀の上にいて目が合った。

その後リビングにいたら、庭のガラスドアの前に後ろ足で立ってこちらを覗っている様子。

「コンチわ〜」と窓を手で叩きそうな顔つき。

アーモンドを地面に置いておいたらやってきて、ドアの前で齧ったり、近くの植木鉢に埋めたりしてしばらくフサフサの尻尾を揺らしながらぴょんぴょんと跳ね回っていた。可愛いなあ。向こうも「あ、しばらく見なかったナッツくれる人がいる!」と気づいたのだろうか?

 

庭仕事も終わり、車の修理をしていた夫も一段落したので、ランチを庭で食べた。

サンドイッチとミルクティー。

日差しがちょっと眩しいくらい。

 

 

休日だから、家の前の散歩道も川も人の行き来が多く、ずっと賑やかだった。

ローイングのボートの練習で川岸を自転車に乗ったコーチが走りながら指導をしている。

家族づれが仲良く笑いながら歩いてゆく。

ナロウボートや小さな船が通り過ぎる。船の上の人はワイングラスなんか持ったりして、リラックスした笑顔だ。

パドルボードも多い。

灰色でフワフワのヒナを連れた白鳥の夫婦。オスはボートが来ると羽根を広げて威嚇して子供達を守ろうとする。

 

午後、2階のベッドに寝転んで本を読んでいたらウトウトとして眠ってしまった。

開いた窓から、外のざわめきが心地よく聞こえてくる。人々の話し声、水を掻くボートのオールの音、水音、鳥の囀り、ジョギングする人の砂利を蹴るリズミカルな音。

日当たりのいい部屋でそんな音を聞きながら、浅い眠りにたゆたうのは極上の心地よさだった。

 

夕方は夫と息子にパブに食事に行こうと誘われたのだけれど、人出の多いところに出かけるのは億劫に感じたし

庭が最高に気持ちがいいので、庭でBBQでもしてビールを飲もうと提案した。

 

 

季節のいい時にしか出来ない贅沢。そしてもうこの庭でくつろいだり、お茶をするのもこれが最後。

なんだか、とってもリラックスしたいい一日だった。